244部分:第三十四話 氷と毒その四
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第三十四話 氷と毒その四
「私もまた黄金聖闘士。貴方の氷、防いでみせましょう」
「そうか。それではだ」
ミシェイルはそれを受けて遂に冷気を出してきた。それは一瞬のうちに彼の周りを凍気で覆いそのうえでそれをアフロディーテの方にも向けてきた。
「聖衣といえど凍る筈だな」
「それがどうかしましたか?」
「言ったまでだ。貴様の聖衣もまた凍らせるだけだ」
言いながらであった。その凍気が遂にアフロディーテにも及ぼうとする。だがここで彼はその薔薇を出したのだった。あの紅の薔薇の花びらを己の周りに漂わせてきたのだった。
「薔薇か」
「そうです、薔薇です」
アフロディーテは薔薇を放ったうえでまた言うのだった。
「私の薔薇は攻防一体。貴方の氷を防ぐこともできるのです」
「そうか。やはりその薔薇は攻めるだけではない」
彼は言った。
「守ることも可能か」
「そういうことです。さあ、どうされますか」
薔薇は確かにミシェイルの氷を防いでいた。花びらの一枚一枚は凍りそのうえで砕けていくがそれでもだった。アフロディーテの身体は守っていた。
「貴方の氷はこれで終わりではないでしょう」
「わかっているのか」
「はい、貴方のカードはこれで終わりではない」
その紅の薔薇の中での言葉だった。
「そうですね。貴方にはまだ余裕があります」
「流石だな。そこまで見抜いているのか」
ミシェイルもそれを隠そうとはしなかった。また悠然とした笑みを見せてきたのだ。
「ピスケス。やはり黄金聖闘士ではないな」
「では貴方の技を見せてもらいましょう」
アフロディーテもまた冷然としていた。
「その技を」
「いいだろう。では見るのだ」
それに応えてその両手をゆっくりと、広く左右に拡げてきた。そうしてそこから技に入るのだった。
「受けてみよ。このミシェイルの氷の技」
「来ましたか。遂に」
「ダイアモンドブリザード!!」
技の名前を叫ぶと彼の全身から凄まじいまでの吹雪が放たれた。それはまさに。
「何っ、この吹雪は」
それはアフロディーテをしてみせて驚きの声をあげさせるのに充分であった。
「あのカミュに匹敵する」
「どうだ、私の吹雪は」
ミシェイルはその吹雪を放ちながら再び不敵な笑みを見せてきていた。
「貴様に防ぐことができるか?」
「くっ・・・・・・」
「できるのなら見せてみよ」
吹雪は激しさを増してきていた。
「私の吹雪を防ぐことをな」
「このままでは」
アフロディーテの顔にも焦りが出て来た。
「それならば」
「ほう、やはりそう来たか」
アフロディーテが薔薇を増やしそのうえで黒薔薇も含んできたのも見て言うのだった。
「先程と同じだな」
「言った筈です。この薔薇は攻防一体です」
だからだ
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