第31話『守る者』
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〜」とか言う、幼児の様な状態になっている訳ではない。うん。うん・・・
「諦められると、こっちの気が削がれちゃうってものだわ。早く楽しませて頂戴よ」
「サディスト発言止めろや。今の俺の心は煎餅といい勝負なんだよ。それ以上言うと快音立てて割れるぞ」
「あら、それは楽しそうかしら」
「墓穴掘ったわこんちきしょう!」
いつの間にか、端から見れば談話に見えなくもない会話になり始めた。
光の敵意も感じられなくなり、初期状態にリセットされたと言うべきだろうか。
その現状に俺は安堵し、目から涙が消え・・・もとい、目も現実逃避を終えていた。
「元気が戻ったみたいね。私も少し気分が晴れたわ。今ならあんたのさっきの発言も許せるかも」
「許して、マジ許して、超謝罪するから、ロボットの刑だけは許して」
「何その謝罪…」
本心からの謝罪をして光を呆れさせる。
だがこれで良い。状況ひっくり返した俺、マジGJ。
そして俺は眼前のロボットを見据える。
それは、先程歩き始めてから俺の攻撃を防いだ場所で、今にも歩き出しそうな格好をして静止していた。
「でもって、そろそろロボット片付けてくれない? これじゃあ一対一の勝負が出来ねぇぜ」
「え、ロボットと一対一じゃないの?」
「人外とは戦えねぇよ!」
「…残念だけど、コレは私たちの努力の結晶。雨の日も風の日も雪の日も雷の日も、ずっと作ってきたの。だから、もう人として扱ってあげてもいいんじゃないかしら?」
「いや、そんなに大事な物ならこんな場で使うのはどうかと。つーか、理科室で作ってんなら天気関係ないだろ!」
さらっと「このロボットを壊すような事が有れば…どうなるかわかるよね?」と、言外に言われた気がするのは俺だけだろうか。
また冷や汗がタラリと頬を伝う。そんな中、ユーモラスな発言で感情を誤魔化そうとする俺。
マズい、マズいぞ。状況が悪化した。
『ロボットの破壊』という手段が使えなくなったのだ。
もし破壊したら・・・命は無いだろう。光の手によってリンチ確定だ。 厳しすぎる──
「黒木!」
「「!?」」
突然に開いたドアと響き渡る声。
その声には聞き覚えがあり・・・
「辻!? 何で!?」
俺は相手の名を呼びながら、何故ここに来たのかを問う。
「三浦に呼ばれたの! アンタがピンチだからって!」
「三浦が…? 今どこに居る?」
「私の後ろを・・・って、三浦早く!」
「いや副部長速すぎ…」
辻は理科室の外に呼び掛ける。すると、ヘトヘトというのが見て取れる三浦が姿を現した。
「大丈夫か、三浦?!」
「えぇ。怪我も
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