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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第31話『守る者』
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なのか。
部長だってのに何も知らない。無様な話だ。でも、俺のやることは決まっている。
部活も大事だが、今は光と決着をつけねばなるまい。


「弾けろ」


俺は指鉄砲を構える。これが今俺にできる手段。あわよくば、全てを成功に導ける。

指に魔力を纏わせ、凝縮させ、そして一気に・・・放つ。



風を切って鳴る轟音。
地震でも起きたのかというほど、理科室が震える。
辺りには閃光が散り、風圧が部屋全体を席巻した。
その現象の中心、黒光りした軌跡を描く魔力の凝縮された弾が、一直線にロボットをつき抜けようとする。



──しかし、それは鎮火した。別に炎が、という意味ではない。
ロボットが右手を前に構え、その掌を弾に向けただけで・・・電撃は力を失ったのだ。



「・・・どうなってやがる」

「あんたのそれほどじゃないわよ。まぁ、それがただの電気と性質は変わらないとわかっただけ収穫だわ」

「何かすげぇ馬鹿にされた気分だぜ…」


確かに、俺の電気は普通の電気と何ら変わりはない。
だから、普通の電気への対策ができれば、必然的に俺の電撃も防げることになる。

まとめると、彼女が先程言った言葉・・・「ロボットに電気は効かない」は事実だった。


「俺の格闘術は光には敵わない、そして電撃無効のロボット・・・無理ゲーだわ」

「諦めるなんてらしくないじゃない。さっきまでの大口はどうしたの?」

「それ言われると退くに退けなくなっちゃうんだが…」


でも策は無い。打開可能性はほぼ0パーセント。
そもそもロボットと戦うことが予想外。これじゃ犬死にもいいとこだ。
残り時間にも余裕があるから、時間切れを狙うのは無理がある。
ゆえに・・・


「勝ち目が無いって辛いもんだな」

「素手で挑む、って選択肢ぐらいないのかしら?」

「生憎、持ち合わせちゃいねぇわ。3秒で土下座するのが目に見える」


恥ずかしい。これが俺の今の感情だ。
大口を叩いていたのにも拘わらず、やれることをなくして一方的にやられる。これを恥と言わずして何と言う。

やっぱここはアレしかない。
『ロボットを何らかの方法で突破して、光を痺れさせる』、これだ。
『何らか』の部分は・・・どうしようか。
フェイント…陽動…強行突破…、って、どれもロボットには通用しねぇじゃねぇか、クソ。


「今にも泣きそうな面して何を考えてるの?」

「誰が泣いてるかアホ。全然泣いてねぇから、1ミリも泣いてねぇから」

「じゃあその瞳の潤いは何を示しているの…」


これは泣き目ではない。
己の無力さと状況の害悪さに、目も現実逃避を始めただけだ。そうなのだ。
決して「何すればいいの〜ママ
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