機動戦艦ナデシコ
1466話
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火星の極冠遺跡から脱出した俺達は、そのままゲートを設置しているナデシコ世界におけるシャドウミラーの拠点へと戻ってきた。
ただし、俺がニーズヘッグで演算ユニットを運ぶよりも前に影のゲートで基地へと全員を移動させ、それから直接ニーズヘッグで空を飛んで運ぶ……という流れだったので、多少時間が掛かったが。
「それで、この演算ユニットをどこに設置するのかは教えて貰えるのかな?」
「駄目に決まってるだろ」
当然といった様子で尋ねてきたアカツキに対し、即座にそう返す。
アカツキに演算ユニットをどこに隠すのかを教えても問題はないと思うが、それでも念には念を入れてだ。
勿論アカツキが……より正確にはネルガルや討伐軍が演算ユニットを奪いに来るとは思っていない。
いや、そんな真似をしても絶対に自分達に勝ち目はないと悟っているだろうし。
そう考えると教えてもいいような気はしないでもないのだが、情報というのはどこから漏れるとも限らない。
アカツキが意図的に情報を漏らすというのは心配していないが、酔っ払った際やベッドで寝物語に……という可能性も否定は出来ないのだから。
そう考えれば、そもそも情報を知らなければ意味はないのだから気にする必要もないだろう。
「あー……やっぱり? 何となくそう言われるんじゃないかなーとは思ってたんだけど」
元々駄目元で尋ねたのだろう。アカツキは多少残念そうな表情を浮かべたが、それ以上は何を言うでもなく諦める。
「それで、えーっと……じゃあ、僕達はここで解散って事でいいのかな?」
「そうだな。俺からは特に何もないけど……レモン?」
「私も今のところは特に問題はないわ。寧ろエザリア辺りに聞いてみた方がいいんじゃない? 何か交渉をする必要があるのなら、そっちが重要でしょうし」
レモンの言葉に頷き、通信装置を使ってエザリアを呼び出す。
『どうしたの?』
「遺跡の件が終わって、今アカツキがここにいるんだけど、何か用件があるか? 交渉するようならこっちに出て来て欲しいんだが」
『そう、ね。交渉という訳ではないけど、幾つか話し合っておいた方がいい事はあるわ。今どこにいるの? 遺跡の件ということは、ナデシコ世界の火星の基地?』
「ああ」
『分かった、すぐに行くわ』
そう言うと、通信が切れた。
今から転移区画まで行ってシステムXNで転移してくるとなると……多少は時間が掛かるな。
「あのー……アクセル? 出来れば僕の予定を決めるのなら、僕の了解を取ってからにしてほしかったんだけど。あ、いや。でも彼女と再会出来るのは僕としても嬉しいんだけど」
アカツキの、どこか情けないような……それでいて嬉しそうな表情。
そんなアカツキの後ろでは、エリナが小さく溜息を吐いてい
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