第百十六話
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自分たちを助けに来てくれたみんなのことを見つめ直した。この場に集まったみんなは、誰も同じ目的でこの場に集まったのだ。
「そういうこと! このフロアボス攻略勝負は、あとでやり直しだかんね!」
「……ううん。今回のフロアボス攻略は、まずそっちに譲るわ」
直衛に回っていたユウキからも、そんな言葉が投げかけられたセブンは、自分の目を覚ますように頬を叩く。そしてレインから守られる体勢から自ら立ち上がり、ユウキ――スリーピング・ナイツに向かってそう宣言する。
「え、でも……」
「助けてくれたお礼。それに……わたしの目的は、もうみんなのおかげで叶ったの」
プレイヤーキラーたちの行動はほぼ沈静化し、スリーピング・ナイツの面々は武器をしまってセブンの言葉に耳を傾ける。そしてセブンは最後の言葉は小さく呟くと、ストレージを操作してある武器を取り出していた。いや、それは武器というより――
「旗?」
「あ、それ……」
――セブンが取り出したのは、アスナもSAO時代に一悶着起こしたことのある、《ギルドフラッグ》と呼ばれる特殊武器。それを装備して戦闘すれば、旗に名前が刻まれたギルドのメンバーに、強力な追加効果がかかる――というものだった。しかし旗には何のギルドの名前も刻まれておらず、ユウキにそれは手渡された。
「本当はその旗にシャムロックの名前を刻んで、実験は終わりだったんだけど……もういいの。好きに使って」
「……うん。ありがと!」
セブンの目的はある実験を成功させ、更に高名になることで姉を見つけようというもの。セブン自らが『もうその実験はいい』とまで言うのならば、それはすなわち――ユウキはそのことを察して、セブンからしっかりとギルドフラッグを受け取った。
「助けられてばっかじゃなくて、わたしだって友達に何かしたいもの。ほら、リーダーが名前を刻まないと!」
「え、えっと……こう?」
セブンの指示を受けながら、ユウキは慣れない手つきで画面を操作していくと、みるみるうちに旗に字が浮かんでいく。スリーピング・ナイツ――その名がしっかりと旗に刻まれ、ユウキはそれを感慨深げに見つめていた。
「誰が持ちましょうか?」
「そりゃまあ……テッチじゃない?」
「ですよねぇ」
「あ……じゃあテッチ、お願い!」
「その……ユウキ」
メンバーたちの素早い会話の後、ギルドフラッグはテッチの背中に装備される。似合うだの似合わないだの、勝手な感想を言い合うメンバーたちに、アスナが言いにくそうに声をかけていく。
「そのギルドフラッグなんだけど……本当に、同じギルドメンバーにしか効果がないの。だから、その……」
浮遊城であのギルドフラッグの効果を知っているアスナは、そ
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