第百十六話
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ってプレイヤーキラーのリーダー格と対峙する。セブンの髪を掴んで拘束していたリーダー格は、セブンの身体を宙に投げ放ち、余裕の体勢でレインを迎え撃った。
「二刀か……忌々しいなぁ!」
「七色!」
リーダー格が低く身を落とすと、レインの膝を切り裂かんと、高速で踏み込み斬撃を放つ。それをレインは跳躍することで避けると、そのままリーダー格の男を踏み台に、空中に投げ出されたセブンを救出する。最初から跳躍することしか考えていないような動き――それは当然だ、最初からレインには、セブンしか目に入っていなかったのだから。
「大丈夫!?」
「え……ええ……」
「じゃあ逃げ――」
鮮やかに救出劇にセブンは目をパチクリさせていたものの、レインにそんな暇はない。セブンの手を引くと、すぐさまどこか横道に逃げようと――
「――え」
――自分たちを取り囲む、プレイヤーキラーたちの姿を見た。先に発射したOSS《サウザンド・レイン》では、まるで敵の隙を作ることは出来ていなかったらしく――結果的に、レインも敵陣に飛び込んだだけに過ぎなかった。
「残念賞……ってやつか?」
レインに踏みつけられた場所を手でウザったそうに払いながら、リーダー格の男はナイフをレインたちに構えた。レインは反射的にルクスを庇うように立ち、ストレージに残る武器の数を横目に見つつ、セブンに言い聞かせるように呟いた。
「大丈夫……大丈夫だから……!」
「あなた……」
とはいえ、逆転する策などレインにあるはずもなく。ジリジリと包囲を狭めるプレイヤーキラーたちに、レインには何の打つ手段はなく――彼女に出来ることと言えば。
「……助けて」
「わかった!」
誰かに助けを求めることだけだった。そしてその助けを求める声は、このダンジョンにいるもう一つのパーティーに届いていた。
「ユウキ……?」
「うん! 助けに来た!」
スリーピング・ナイツ。レインが逃げようと伺っていた横道から飛び出してきた彼女たちは、わざとプレイヤーキラーたちの包囲に侵入し、レインたちを守るように立ちはだかった。
「ボスの前の肩慣らしには、ちょうど良さそうな相手じゃない?」
「おう!」
「……わざわざ包囲の中に飛び込んでくれといて、馬鹿なんじゃねぇの?」
メンバーの中でも取り分け好戦的な二人が気合い充分なものの、リーダー格の言葉にプレイヤーキラーたちは揃って嘲るように笑い出す。それでもスリーピング・ナイツのメンバーは、不敵に笑い返していた。
「こっちの方がまとめて倒しやすいし!」
「……ううん。囲まれたのは、あなたたちの方よ」
「あ?」
アスナの一言とともに、ダンジョン内にまるで地震のような
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