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SAO−銀ノ月−
第百十六話
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は、そのまま新生ALOにもログインすると、ショウキやリズ達との出会いとともに――『姉』と『妹』としてではなく、アバター越しに『レイン』と『セブン』として、あちらは分からぬまま妹と再会することとなった。それならセブンをレインとして手助けをしつつ、妹に嫉妬しないような、立派な姉になったら名乗り出よう――そう決心し、シャムロックに入団した。

 そして現在に至り、このフロアボス攻略隊に参加していたレインは――このプレイヤーキラーの手口を、あの浮遊城で聞いたことがあったため、鍛えていた隠蔽スキルで不意打ちを回避することに成功していた。とはいえ煙幕で何も見えなかった為に反撃は出来ず、セブンの元に向かうことも適わなかった。

 ただし《隠蔽》に成功したレインの存在はプレイヤーキラーたちにバレてはおらず、このままダンジョンから逃げてシャムロックの本隊や、それらと戦っているショウキたちに協力を求めることが出来れば。質も量もともに逆転し、プレイヤーキラーたちを倒すことが出来るだろう。

 ――しかしレインは、捕まったセブンを見過ごすことが出来なかった。


「その子に手を出すなぁぁあ゛ぁぁぁぁぁぁ!」

 レインは耳をつんざくような裂帛の叫びをあげると、彼女の刀剣類を高速で発射するOSS《サウザンド・レイン》を展開し、セブンに近づこうとしていた敵プレイヤーを不意に圧殺する。その衝撃に《隠蔽》は効果を失い、プレイヤーキラーたちはレインの姿を発見する。

 ――いや、レインの姿だけではなく。その周囲に滞空する無数の剣を。

「七色!」

 頭に血が昇りながらも、レインは何とか状況を見定めてはいた。プレイヤーキラーたちはざっと数えただけでも二十人はおり、PvPの経験の多くないレイン一人に適う相手ではない。唯一、レインがプレイヤーキラーたちに勝るところがあるとすれば、彼女の切り札たるOSS《サウザンド・レイン》をおいて他ならない。

 無数の刀剣がプレイヤーキラーたちにそれぞれ殺到していき、レインもまた二刀を構えてセブンの元に向かっていく。OSS《サウザンド・レイン》によって発生する刀剣類を囮に、セブンを救出しダンジョンの横道に隠れる。それだけを考えてレインは駆け出した。

 自在に刀剣類を展開・射出出来るOSS《サウザンド・レイン》は確かに強力だが、目標に向かって真っ直ぐ飛んでいくだけのため、対人戦ではおおよそ当たる望みのない、モンスター用のソードスキルだった。さらに展開する刀剣はレインのストレージから解放されるため、有限であり長期戦には向かず――プレイヤーキラーたちが驚愕しているうちに、セブンを速攻で救出するしかレインにはなかった。

「七色を――離せェッ!」

 刀剣類をあるだけ周囲のプレイヤーキラーたちに放ち、レインは二刀を持
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