ep.017 『They Absolutely never cant become the hero from that affair.』
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話はまたまた戻り、地下。ある一人の人物が武装した大人たちに囲まれている。
場所は建物から住人まで、全てが腐敗した地下の廃都市、第0学区『腐敗区』。その一角にある廃ビルの中、崩れた屋根が地面に落ちており常に砂埃が鼻を衝く。
彼はかつてなにもできなかった英雄の一人で、かつて何もかもを成し遂げた地下にとっても地上にとってもの英雄に地位を土台から奪われ、かつて彼らの中で3番手を勤めていた英雄である。
彼を囲んでいる大人たちは決して彼にとって敵ではない。彼が因縁の相手と思っている人物との一対一の場面を設けてくれるというので今回協力しているだけである。
彼、『奈津野刹那』。元『ヒーローZ』の称号を持っていた人物であり、『fortress』結成時にいた第一期メンバーでもある。
彼は実に壮大である。彼は実に寛大である。彼は周りからそう評価されてきた。自身でそう思っていたわけではないが、無意識下で彼は自身がとても誇らしかった。
彼が英雄を辞めた理由。
それは当時地下での狂気に満ちていた高位能力者たちを蹴散らすに蹴散らしまくった英雄、『偽悪の英雄』の二つ名さえ持つ現『fortress』の鉄砲頭の『夢絶 叶』。
そして、周りに無心を決め込んでいたのにもかかわらず、戦闘技術と高等能力をふるっていた『fortress』という組織内で1体1で戦闘を行ったら最強と言われている『皇 皇皇』の二人が原因である。
現『fortress』に『皇 皇皇』がいないのが救いか。彼が今回戦う理由はその二人の殺害、とまでいかないまでも再起不能に近いところまで追いやる事である。
自身が『fortress』を辞めた小さな理由を彼はこう言う。
「僕は辞めた。あの組織でやっていくのが怖くなったんだ。あの頃いたあの仲間たちには申し訳ないが、僕は辞めさせてもらう。まあ、僕がいなくてもあまり変わらないだろう。」
壮大で寛大な彼は自身にはその考えが出来ない。自身には世界に思う壮大さも、他人に思う寛大さも全くに持ち合われていないのだ。
さらに続け、こう言う。
「心の中ではわかっているのだ。これが嫉妬で、僕がただ何もしていないというのを自覚しているのだ。だからこそ嫉妬している。彼は、さらに違う彼も。何かすることがあってできている。僕は英雄になりたかったんだろう。たぶん漠然とした英雄になりたかったんだ。」
彼の中に浮かべられる二人の人物は彼にとって偉大で、その敬意は嫉妬に変わってしまっている。それを自分で理解できているからこそ、彼は言う。
「僕は
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