深淵-アビス-part2/奈落の底
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近づいてくる。そして、ちょうどアスカが隠れている廊下の角の辺りに来たところで、アスカは勢いよく飛び出した。
「よぉ!」
「な、何だ貴様!?」
ドガッ!!
「うぐ…!」
突然、見慣れない怪しい男が目の前に現れたことで気をとられたそのアルビオン兵は、アスカに思い切り顔面を殴られた後、手刀を首筋に叩き込まれた。
「悪いな…ちょっと借りるぜ。あらよっと…」
アスカの不意打ちにより、その兵は気絶し倒れこむ。すると、アスカはその男をずるずると暗闇の方へ連れ込むと、その男の鎧や服を剥ぎ取り始めた。
アスカが思いついた提案、それはアルビオン兵の鎧を拝借し、ここの警備兵の不利をするという方法だった。いってしまえば追剥行為だし、さすがに長時間働いているせいか、その兵士の鎧は汗の臭いがきつかった。だが背に腹は変えられない。これもシュウを助けるためだ。
「くっせ…それにちょっとぶかぶかだな…」
何とか着替え終わったアスカ。だが、モワッと漂う臭いと嫌な温もりが自分の体を包み込むのを感じた。嫌なハンディを感じるが、兜は顔が見えない仕様になっており、これで先へ進みやすくなる。アスカはなるべく他の兵に態度でばれないよう、自分なりに毅然としながら施設の奥へ歩き出した。道中、何人か他のアルビオン兵と遭遇したが、鎧のカモフラージュが効いたらしく、誰もアスカを侵入者と気づかなかった。
しかし、奇妙な施設だった。アスカはこの世界が地球から見て数百年ほど前の文明を現実にしたような世界であることはなんとなくわかった。だが、故におかしいと思った。自分がこうして歩いている、この謎の施設の中の設備の整いように。この世界にはやってきて間もないが、アスカは、非戦闘時はスーパーGUTS基地での勤務に勤しんでいた。だから、高度な設備が整っている施設の建物がどんな素材でできているかはなんとなくわかる。この施設はどうだろう。どう考えても、この世界の文明レベルでこの…宇宙金属で構成されているような鉄製の壁が出来上がるものだろうか?もはやオーパーツのレベルである。
(もしや、ここは…誰かが別の星から運んできた素材で作られた施設なのか?)
異性人とも戦ってきた経験を持つアスカならではの勘。実際大当たりだった。シェフィールドがこの世界とは別の星とコンタクトを取り、一部の異星人をこの世界に呼び寄せていたのだから。怪獣もまた例外ではない。最も、星人の中には自らの利益のために飛来する者、どういうわけかこの世界に元からいた怪獣もまた存在しているが。
それを決定的な証拠とするものを、アスカは目にした。
「なんだこれ…!?」
思わず声を上げそうになった。
施設内のあるエリアにたどり着いた彼は、鎖でぶら下げられた足場の真下中に、ありえないものを目の当たりにした。
巨大なシリンダーが…それもダイナに変身した自
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