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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
深淵-アビス-part2/奈落の底
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地下に、侵入者があったようです」
「侵入者ですって?正体と場所は?」
「まだつかめていません。巡回中の兵の一人が、身包みをはがされた状態で発見されたのを目撃したということですが…」
それを聞いてシェフィールドは目を細める。地下は、レコンキスタが生物兵器として利用している怪獣たちを保管している施設がある。当然セキュリティもこの世界の人間では決して突破できない万能のものを用いており、機密中の機密となると、シェフィールド以外は決して入れない場所となっている。おそらくそこまでの場所ではないが、侵入者がいると言う話に、シェフィールドはメンヌヴィルを睨んだ。
「あなた、まさか部外者を連れ込んだのかしら?」
「そう目くじらをたてるな。おそらく、あのダイナとか言う奴だ。俺たちが捕まえたあの小僧を追ってな」
「ダイナですって?」
確か、あの小僧がゼットンに止めを刺されかけた時、突如乱入してきたあのウルトラマンか!
「相手がウルトラマンならば、いかに高度なセキュリティでも突破されかねんな」
「ち…」
シェフィールドは舌打ちする。ウルトラマンたちは常に常識破りな奇跡を起こすから、メンヌヴィルの言い分にも信憑性がある。
「まあ、奴の侵入は俺の不始末だ。俺が行ってやろう」
「貴様、まだ彼女の許可を…おい、待て!」
メンヌヴィルはシェフィールドにそう言うと、彼女の許可も得ずにそのまま部屋を出ようとする。それを快く思わないクロムウェルが彼の肩を掴んできたが、振り返ったメンヌヴィルが、見えないはずの白い目でクロムウェルを見る。
その白く濁った瞳から、触れたものを燃やし尽くす炎のような殺気がほとばしっていた。邪魔をするな、したら貴様を消し炭にしてやる。無言でメンヌヴィルはそう語っていた。
「う…」
クロムウェルは思わず後ずさりし、手を離す。それを確認したメンヌヴィルは部屋を出て行く。彼が立ち去った後、クロムウェルは屈辱を覚えるあまり、シェフィールドに思わず文句を言い放つ。
「く、くそ!あの男…いい気になりおって!今更だがシェフィールド殿、あの男をこのままにしておいて本当に大丈夫なのですか?今、トリステインに潜伏させているあの女のことも…」
「…私もできればあのような危険分子と手を組みたいとは思っていないわ。でも…これは『あの方』の意思でもあるのよ」
「あの方の…ぬぅ」
あの方、と聞いてクロムウェルは押し黙る。『あのお方』とは、二人を黙らせるだけの強い存在感があるようだ。
「最も、こちらの意思に思いのまま従う駒も必要なのも確かね。けど、問題はないわ。
私とあなたが、それぞれ進めている計画があるじゃない」
「…そうですね。だが、奴らもまた同じように計画を練っている節があります」
「なら、やはり虚無を早いうちにこちらに引き込む必要がありそうね」

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