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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
深淵-アビス-part2/奈落の底
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も当初は酷くこき使ってしまったし、いらないことで彼に癇癪を立ててしまうこともしばしばだ。そんな自分ではなく、ハルナのような女の子らしい性格と素直な優しさを出せる子がいいのでは?
やっぱり、故郷に帰りたいの…やっぱりハルナみたいな女の子の方がいいの?
私みたいに、変なことで怒ってばかりのご主人様よりも?
そうだ、考えてみれば当たり前といえるじゃないか。それなのに…どうしてこんなに胸が苦しくなっているのだ。
いや…言わずとも答えはわかっている。なぜなら…


私は……あいつのことを………





シュウを攫って来たメンヌヴィルは久方ぶりにシェフィールドと、彼女の執務室で対面した。
「まさか、戻ってターゲットの一体を捕まえて戻ってくるなんてね。時間がやたらかかっていたみたいだから、戦いに溺れて仕事を忘れたと思っていたわ」
「ふん、俺とて傭兵の端くれよ」
戻ってきたメンヌヴィルに、シェフィールドが嫌みっぽく言うと、対するメンヌヴィルはそう言い返した。
「まあ、虚無の娘が最優先だったのだけど、あの小僧を回収しただけでもよしとしてあげましょう」
「奴は今どうしてる?捕まえろと言ったのだ。当然利用するつもりだろう?」
「もちろんよ。手こずらされたとはいえ、せっかくのサンプルよ。利用しない手はないわ。今、ちょうど実験にかけているところよ」
シェフィールドは、魔法文化に特化した世界の人間とは思えないマッドサイエンティストな一面を出しながら言った。以前ムカデンダーを差し向けたときに彼から受けた恐怖と屈辱を、実験にかけると言う形で何倍にも返すつもりだった。例の実験には、命の危険が考えられるほどの苦痛を伴うことは確認済だ。今頃、あの小僧は悶え苦しんでいるに違いない。
ウルトラの力を得ただけのイカれた小僧なんかに、虚無の…あのお方の使い魔である自分がなめられてたまるものか。
「…殺すなよ」
どんな実験かは詳しくは聞かなかったが、シュウとの更なる戦闘を求めるメンヌヴィルが忠告じみた言い方で言った。まだこいつとは戦い足りないのだ。
「人間だった頃から命ごいをする相手にさえ情け容赦なく焼き殺してきたあなたが言う?心配しなくてもまだ殺さないわ。手にかけるだけなら、あなたに任せても構わないし、あなたたちから寝首をかかれたくないもの」
メンヌヴィルの一言にそう返事するシェフィールドだが、逆にメンヌヴィルは思った。この女がむしろ寝首をかこうとしている、と。何せ、この女は手を組んでいる相手にも決して知らせていない、何かを企んでいるのだから。
「シェフィールド様、報告!」
扉の向こうから扉をノックする音と声が聞こえる。クロムウェル−おそらく星人の擬態−だ。シェフィールドが入りなさいと命じると、クロムウェルは執務室に入ってきた。
「何事?」

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