第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#1
STRENGTH 〜The Cyclops〜
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めると想ってな」
そこで一度言葉を切り、ポルナレフは口元を不気味に歪めた。
「しかし、幸先は悪くないようだ。
速くもそんな有益な情報を得る事が出来ようとは。
目的の男がエンヤの血縁というのなら、当然DIOの配下に降っている筈だ。
そしてソイツはいずれ必ずオレの前に姿を現す……!
ククク、やはりこの旅に同行して正解だったぞ」
そう言ってポルナレフは、
その精悍な風貌に不釣り合いの倒錯的な笑みを浮かべ、
昏い愉悦に浸るように躯を震わせる。
花京院は強い既視感を抱きながら、
その横顔に “誰か” の風貌を重ねる。
しかし、その行為を留まらせようとも、諭そうとも想わなかった。
彼に、彼女に 『こんな顔をさせた者』 にこそ
然るべき 「報い」 を下してやろうと想った。
「その時が来たら、言ってください。協力は惜しみませんよ」
たゆたう波間を見据えながら、翡翠の美男子は両腕を腰の位置で組み静かに呟く。
銀髪の青年は己の本懐が受け入れられた事に
意外そうな表情を浮かべながらも、
彼と同じ方向に視線を送った。
「なら、一つだけ頼もうか。 “何もするな” 」
「……!」
意外な申し出に花京院が向き直ると既に、
ポルナレフは硬い決意に充ちた青い瞳でこちらを見つめていた。
「約束したぞ? その男が見つかっても、仮にオレが死んだとしても、
『絶対に何もするな』
コレはオレ自身の 『運命』 に対する決着。
他人の力を借りては意味がないのだ」
「し、しかし!」
反論しようとする花京院を、ポルナレフは右手を広げて押し止めた。
「君は、良い男だなぁ。
でもその気持ちだけで充分だ。
君には君のやるべき事があるだろう。
まずはソレを果たす事に心血を注ぐべきだ。
なぁに、オレもむざむざやられる気はない。
実力の程は、香港でお見せしただろう?」
そう打って変わった陽気な口調で、明るい笑顔を自分に向けてくる。
その本性が凄惨な 『復讐者』 であるとは信じられない位に。
否、きっと 『こちらの方が』 彼の本当の顔なのだろう。
「……」
結局、何も言う事が出来ないまま花京院は海原に視線を戻した。
しかしそれでも、彼の為に出来る事は何か在る筈だと新たな決意を固めていた。
深紅と白金の光は、まだ視界でブツかり合っている。
【2】
「炎 劾 華 葬 楓 絶 架ッッッッ!!!!」
「流 星 爆 裂 弾ッッッッ!!!!」
真紅の高架と白金の轟拳が真正面から激突する。
そのまま互いに微動だにするコトもない膠着状態に陥り、
二つの色彩は空間で燻る。
ヴァアアアァァッッッッ!!!!
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