第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#1
STRENGTH 〜The Cyclops〜
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壊力−A スピード−A 射程距離−E (接触、膠着状態のみ)
持続力−B 精密動作性−A 成長性−C
(――あうぅッ!!)
全身の自由を隈無く奪う乱気流の中、少女は声無き辛苦を漏らした。
口内を切るので悲鳴を発する事は出来ず、
眩惑の効果を少しでも軽減させる為
閉じそうになる瞳を無理に抉じ開け、一点を凝視し続ける。
しかし。
(急昇の加速で掛かる重力で身動きが執れない……!
しかも上下の区別が付かないからヘタに “双翼” を発動させたら自爆する……ッ!)
一定の速度を超えれば、緩やかな水面も頑強な 「鋼鉄」 と化す。
廻転に伴う眩暈と怖気に神経を苛まれながらも、
少女は研ぎ澄まされた分析力で瞬時に状況を把握し
その対応策をも紡ぎ出した。
手にした大太刀を背に構えその腹へ足裏を押し当て爆散、
ソレに双翼の飛翔力を上乗せして白金の乱気流からの脱出を図る。
力の方向性が狂わされるなら、絶対に間違えようがない力場を形成して
他をソレに併せれば良い。
他の宝具ならいざ知らず、長い年月死線を共にしてきた自分の愛刀、
“贄殿遮那” の存在感は間違えようがない。
「っく、うぅ」
物理的な損害は無きに等しいが、
ブレる視界とグラつく頭蓋を何とか平静に戻そうと
少女は呼吸を整える。
幸いにも抜け出た場所は上空。
アイツの攻撃は 『絶対に届かない』 理由があるので確実に先手は取れる。
裏を返せば、自分が攻撃を仕掛けるまでアイツは攻撃できないというコト。
このまま互いに攻撃せず両竦みに陥るような芸の無い事は望んでないが、
平衡感覚が回復するまで休んでも罰は当たらないだろう。
そう想い少女が安堵の吐息を漏らした刹那。
「――ッッ!!」
突如下方から疾走る、白金の閃光群。
意識を身体機能の方へ向けていたので完全に虚を突かれた恰好。
(そうだ……ッ! “遠隔能力” 遣えるんだった……!)
己の眼下で勝利を確信したように微笑を刻む青年と、
その脇で左手を伸ばした右腕の肘に宛 い、
張り詰めた指先を構える勇猛な守護者。
二人が放ったのは、幽塵煌めく星貫の烈撃、
流星の流法 “スター・バレット”
流法の性質上2発以上撃てず攻撃力の低下も招くので常用は出来ないが、
遣い処を誤らなければ奇襲、追撃には最大の効果を発揮する能力。
「きゃうッ!」
遍く白金の閃光が黒衣を撃ち抜き、
か細い悲鳴を上げて少女の躰がグラリと傾いた。
そのまま背に携えた双翼をはためかすコトもなく、
海面へと垂直に落下していく。
双眸を閉じ、髪を気流に乱し、黒衣の切れ端を散らしながら。
(やれやれ、チョイとキレイに極まり
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