第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#1
STRENGTH 〜The Cyclops〜
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の鳥人が彼の肩に飛び移ろうとするのを、
何故か生み出した本人が必死に止める。
「大分巧く操作は出来るようになったようだが、
まだ実戦レベルにまで大きくするのは無理か?」
「う、うるさいうるさいうるさい。
まずはこのサイズでの操作精度を可能な限り磨くの。
そうすれば大きくした時、同等以上に操るコトが出来る。
一見遠回りに見えるけど、ソレが一番の近道なのよ」
そう言って少女は手の平の鳥人に構えを執らせ、
小さな炎弾を空間に撒き散らす。
「そうか。頑張れよ」
「!」
予期せぬ穏やかな言葉に少女は手の平から視線を移した。
「DIOのヤローも、
まさかおまえが 『スタンド』 使ってくるとは想わねぇだろうからよ。
しかもソレは通常の 「法則」 を無視しまくった特別製だしな。
期待してるぜ、ヤローの青ざめた貌が今から楽しみなんでな」
気高き瞳と風貌を黄金色に照らされて微笑む、無頼の貴公子。
その神秘的な姿を真紅の双眸に映した少女の裡で、一度鼓動が大きく脈を打った。
「さて、いつまでも練習の邪魔しちゃ悪ィな。
オレァそろそろ退散するぜ。あばよ」
(むう)
もう一度何か言ったら窘めようと想っていたアラストールが、
彼の勘の鋭さ(本人は何も考えていないが)に不満げな声を漏らす。
そこに。
「ねぇ?」
「あん?」
両手を制服のポケットに突っ込み、襟元の鎖を鳴らしていた
承太郎が振り向いた。
「出来ると、想う? 本当に?」
煌めく海原を背景に、黄昏色に染まった青年と少女の瞳が交差する。
承太郎は視線を逸らさぬまま静かに呟いた。
「出来るさ。おまえになら、何だって」
「!」
再び鼓動が、今度は高く澄んだ音階で響く。
何で、何でそんなコトを、微塵の疑いも持たずに言えるのだろう?
自分だって正直不安な、失敗したらどうしようという気持ちを
懸命に抑えて新儀の開発に臨んでいるのに。
でも無責任とも呼べるその言葉に反発する気持ちは全く起こらず、
鼓動は断続的に熱く高まっていった。
だって、本当に今なら、何でも出来そうな気がしたから。
「……」
自分でも意図が解らず、勝手に進み出た足。
今ある距離が、そのまま彼と自分の心の距離。
それを無思慮に詰めていけば、一体どうなるのか?
理解しているような、できなくても別に構わないという
曖昧ながらも強い気持ちの許、少女は青年の傍に歩み寄る。
その刹那。
「よぉ〜、承太郎。こんな所にいたのか? 探したぜぇ〜」
甲板の向こう側から銀髪の男が、
その鍛え抜かれた躯を鮮やかに照らされながら歩いてきた。
敵からの不意打ちを避けるように、シャナは視線を鋭く背後に飛び去る。
その声の主、J・P・
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