コラボ:春人とナオキ。これは、とある日常
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、痛くしないから)」
「ひゃうっ!!」
春人が真姫の耳元で何かを囁いた後、ふうっと耳に軽く息を吹きかける。魂を抜かれたかのように彼女は膝から崩れ落ちて、ビクンビクンと痙攣していた。
瞳は開いたままでどこか遠くを見ているような気がした。
「春人...くん?」
「な、なにしたのかにゃ?」
「何をしたって、ちょっと真姫ちゃんとお話しただけだよ?」
ニタニタと薄ら笑いを浮かべる幼馴染みに花陽と凛は初めて恐怖を覚えた。
何故こうなったのか。
何が原因で春人はこうなってしまったのかはわかるわけない。ただ一つ思う事は、なんとかしないと他の人にも迷惑をかけてしまうんじゃないか、ただそれだけだ。
「春人くん具合悪いの?」
そんなわけない。
だけど聞いてもみないととてもじゃないが、受け入れられるような現状じゃなかった。
「んー?全然♪僕は元気だよ?」
相変わらず彼らしくない下品な笑みで花陽と凛を見つめる。
───どうしてこうなっちゃったの?
改めて花陽は思った。
今朝、学校に行って授業を受けて、昼食も私達4人で仲良く食べてまた午後の授業受けて....ここまでは一緒にずっと行動していた。
わかれたのはつい数十分前。
花陽と凛が職員室、そして春人が部室に向かうまでは彼におかしなところはなかったのだ。いつも通りののんびりマイペースで、彼らしさ満載だったのに。
「ねぇ花陽ちゃん、凛ちゃん」
「ひゃうっ!?な、なに?」
「は、春くん?」
「僕はずっと思ってたんだ...」
彼はゆっくりと2人に近づき、両手で2人をだき抱える。自ら2人に触れるのは良くあることだったが、こうしただき抱えるといった事はしてこなかった。
初めて、と言っても過言ではないだろう。そのせいか、いつも通りの彼ではない事は2人にはわかっているのに体が離れようと、拒絶しようとしてくれない。
(あれ?なんだか....あったかい....)
(春くんの体温にゃ〜)
頭ではダメだとわかっていても乙女としての本能が『このまま委ねたらいい』と反対の事を言っている。
なんせ、あの"高橋春人"だ。
飄々とした身体をしていて容姿も悪くない。
穏やかで笑顔を絶やさない彼を見て、惚れる女子学生も少なくはないだろう。
そんな彼から抱きしめられたりした時にはもう心も体も溶けてしまうのではないか?
仮令、少し変化してしまった彼だとしても。
「いつも思うけど、花陽ちゃんも凛ちゃんも小さくて可愛いな〜。ほんと腕の中におさまっちゃうくらい」
「やっ...は、春人くぅん」
「くすぐったいにゃ〜離すにゃ〜」
春人は更に強く抱きしめ
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