機動戦艦ナデシコ
1465話
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実際問題、この演算ユニットを誰にも手の届かない場所に置くという意味では、ホワイトスターに設置するのがベストの選択肢だったのだが……そうすると演算ユニットに……そしてボソンジャンプに悪影響が出るとなれば、それを選択する訳にはいかない。
「ちなみに、俺の空間倉庫は?」
「却下ね」
こちらもまた、一言で却下される。
「そもそも、このナデシコ世界にないと演算ユニットは意味がないって言ってるでしょう? それはまぁ、アクセルの空間倉庫の中に入れておく事が出来れば、ホワイトスターに置くより更に安全なんでしょうけど」
どうやら駄目らしい。
空間倉庫の中は不思議空間的な感じになっているのを考えると、意外と大丈夫そうな気はするんだけどな。
ただまぁ、もし空間倉庫に演算ユニットを入れた結果、このナデシコ世界で手が付けられないような事になったら洒落にならないのは事実だ。
ここは素直にレモンの言う事を聞いておいた方がいいだろう。
「その、ちょっといいか?」
言葉を挟んできたのは月臣。
アカツキ達からも視線が向けられているが、それを気にした様子もなくレモンへと視線を向けていた。……その頬が若干赤く染まっているのは、やっぱり女と一緒にいるというのが木連の人間として照れがあるのだろう。
それでなくてもレモンは倦怠的な雰囲気を発する美人で、月臣にとってはこれまで触れた事がない種類の相手だからか。
これが生真面目なエリナや母性的なマリューで、理知的なイネスといった面々であれば、まだ話は違ったのかもしれないが。
それでもレモンに向かって話し掛ける事が出来たのは、自分が木連の代表としてここにやって来ているというのを理解している為か。
「何かしら?」
「こちらが譲渡した生産プラントだが、かなりの大きさだった筈だ。だが、火星にあるシャドウミラーの基地ではそのような物があるようには思えないが」
どこでその情報を掴んだのかは分からないが、その疑問はもっともだった。
そもそも生産プラントはカトンボ、ヤンマ、チューリップ、バッタを生み出すものだ。
つまり、普通に考えれば火星にある俺達の基地は外から見れば生産プラントがあるのを見られる筈なのだが……しかし、今の状況では見る事が出来ない。
それを疑問に思ったのだろう。
……まぁ、このナデシコ世界の住人に魔法球について理解しろという方が無理だしな。
こちらとしても、生産プラントはこれからのシャドウミラーの戦力として主力となるべき存在だ。
ファブニール4機にメギロート40機を運用するヤンマとカトンボというのは、それだけの価値がある。
それだけに、魔法球についての情報を知らせる訳にはいかない。
……エリナはシャドウミラーに来るから例外としてもいいだろう
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