機動戦艦ナデシコ
1465話
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いってもあれだけの魔法使いだ。
純粋に転移魔法に関する才能は足りないだけで、普通に魔法使いとして考えれば超が付く一流なのは間違いない。
「じゃあ、どうすればいいの?」
アカツキとイネスの言葉に割って入ったエリナ。
その言葉にイネスの視線が向けられたのは、当然のように俺だった。
……あー、何となく理解出来た。出来てしまった。
「もっといい隠し場所があるでしょう? この演算ユニットそのものはそんなに大きくないんだから、持ち運びも可能でしょうし」
「つまり、ホワイトスターか?」
イネスの言いたいのは多分それなんだろう。
実際イネスも俺の言葉に少し前の悲しそうな顔はどこにいったのか、満面の笑みで頷いている。
そもそもホワイトスターに来る事が出来るのは限られているし、来た者達が移動出来る範囲だって限定されている。
自由にホワイトスターを動き回れる訳じゃない以上、ホワイトスターに隠しておくのが最善なのだろうと。
「駄目よ」
だが、その言葉に待ったを掛けたのはレモン。
真剣な表情で俺の方へと視線を向けている。
そんなレモンに不思議そうな視線を向けたのは、俺だけではない。ホワイトスターに演算ユニットを確保するようにと提案したイネスもレモンに不思議そうな表情を向けていた。
それ以外の面々も、レモンの口から出た鋭い拒否の言葉に不思議そうな説明を求める視線を向けるだけだ。唯一の例外はマリュー。レモンに同意するように頷いていた。
全員の視線を向けられたレモンは、小さく溜息を吐いてから口を開く。
「ホワイトスターで木連から譲渡された生産プラントを使おうとして、失敗したわ」
……あ。なるほど。そういう事か。
マリューはレモンの言葉が分かっていたのか、ただ頷くだけだ。
木連から譲渡された生産プラントという言葉で月臣が微妙に表情を変えたが……まぁ、エザリアとの交渉の結果だし、問題なく譲渡されたという認識でいいんだよな。
例えエザリアと交渉したのがエザリアに惚れている白鳥であったとしても、きちんと交渉の結果である以上間違いはない。
「失敗したというのは、具体的にどんな風に?」
レモンの言葉が興味深かったのだろう。イネスが好奇心を顔に浮かべて尋ねる。
「生産プラントそのものが正常に動作しなかったわ。その後、火星にあるシャドウミラーの基地の一画に生産プラントを設置したら、無事に稼働した。……これ以上は言わなくても分かるわね?」
「古代火星文明の遺産は、この世界でしか動かない」
「ええ。そんな状況で、この演算ユニットとやらをホワイトスターに持っていったら、それこそどうなるのか分からないわよ?」
そう言われると、イネスも予想外だったのか小さく溜息を吐く。
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