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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第66話:結果的に失敗。結果が出るまでは失敗だと思わない。
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ったって行くとは思えない」

「ウルフ君も連れて行こうって言えば、面白がって誘いに乗ったかもしれないですよ」
「そうしたらウルフ殿から恨みを買うだろ。被害は小さい方が良い……負け戦の時は特に」
はぁ……溜息しか出ない。

「お待たせぇい☆」
僕の溜息と同時に武器開発室の扉が開き、陛下が何時もの様に爽やかで軽い調子のまま入ってきた。人の気も知らないでいい気なモンだ……と思いたいが、僕がピピン閣下の指示でウルフ君を利用した事で生じた面倒事だ。我慢せねば。

(わり)ぃね、嫌々残業させちゃって」
「いいえ! 我々は残業する事を嫌だと思った事はありません。むしろ陛下ご自身がいらっしゃる事に感激しております!」

「お、口が上手いねぇウィンチェスト。でも大丈夫だよ、君がレクルトにブゥブゥ文句垂れてた事は知っているから。面と向かって言っちゃっても良いよ(笑)」
「い、いえ……わ、私はそんな……」

あぁ〜……メッチャ僕の事を睨んでる。
僕は陛下に言ってないのに……つーか、あの人に文句を垂れられてから今現在まで、陛下に会ってなかったのに! あの人の表情から察したんだと思うのにぃ!

「そんで……新しく作った武器はどれ?」
「はい。今すぐ持ってきます……私の自信作を!」
先日の視察後は、ウルフ君と激しく言い合ったウィンチェストだけど、本当に凄い武器を開発したのかな?

「お待たせしました陛下」
『凄い武器を作ってる』『この武器があれば世界は一変する』等とウィンチェストは言い、僕に開発中の武器自体は見せなかった……

だが陛下の視察に伴い、僕も初めて新兵器を見る事が出来る。
ウィンチェストが運んできたのは細長い木箱だ。
ロングソードだと入りきらないけど、ミドルソードなら余裕で収納できるサイズの木箱を、キャスター付きの作業台に乗せて運んでくる。

「私は自分の才能が怖いと思ったのは初めてです! この武器は、私にそう思わせるほどの代物で、我がグランバニアを最強にする大発明品であります! これを「いいから早く見せろ! 長ーんだよボケ!」
ウィンチェストの前口上の長さに痺れを切らした陛下。怒らせるなよぉ……怖いだろぉ!

「も、申し訳ございません……で、では……私の大発明品。“ガント式遠距離攻撃兵器”その名も“ガンツァー”です!!」
自作の兵器に自分お名前を入れ込むって……どんだけナルシストなんだよ、この男は!?
それに何だ……? ケースからして剣か槍だと思ってたけど、妙な仕掛けが付いた長い筒だな。

「……何だ……おい……これ!?」
「はい。"ガント式遠距離攻撃兵器”その名も“ガ「火縄銃じゃねーか!」
ヒナワジュウ? 陛下はウィンチェストの言葉を無視して、出てきた武器の名前を勝手に付け替えた。


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