第1章
旧校舎のディアボロス
第6話 悪魔の仕事、始めます!
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「さて、イッセー。私たち悪魔が主にどういう活動をしているかも、明日夏から聞いているかしら?」
「はい。人間と契約して願いを叶え、それに見合った対価をもらうんですよね」
「ええ、そうよ。そのために、私たちは悪魔を召喚してくれそうな人に、このチラシを配っているのよ」
そう言い、先輩改め部長は、部長席のデスクの上に大量の召喚用魔法陣が描かれたチラシの山を置く。
「まず、イッセーにやってもらうことは、このチラシを召喚してくれそうな人の家に配ることよ。この機械を使えば、召喚してくれそうな人の場所がわかるわ」
部長はチラシの横にその機械らしきものとチラシを入れるためのバックを置く。
「普通は使い魔にやらせるんだけど、これも下僕として悪魔の仕事を一から学ぶためよ」
イッセーはとりあえず、言われるがままにチラシをバックに詰めていく。
「がんばりなさい。あなただって、自分の下僕を持てるかもしれないのよ」
「お、俺の下僕!」
イッセーが『自分の下僕』という単語に過剰に反応しながら部長に聞き返す。
「あなたの努力次第でね。転生悪魔でも実績を積んでいけば、中級、上級へと昇格できるの。そして、上級悪魔になれば、爵位を与えられて、下僕を持つことが許されるの」
部長の説明を聞くうちに、イッセーは鼻の下をどんどん伸ばしていく。
・・・・・・何を考えているのかが、手に取るように丸わかりな反応だな。
「げ、下僕ってことは・・・・・・俺の言うことには逆らわないってことですよね!?」
「そうね」
「何をやってもいいんですよね!?」
「ええ」
「た、たとえば・・・・・・エ、エ、エッチなことでもっ!?」
「あなたの下僕ならいいんじゃないかしら」
それを聞いたイッセーは雷に打たれたような反応を示すと、歓喜の雄叫びをあげる。
「うおおおおおおおおおおおッ! 悪魔最高じゃねぇか! ハーレム! 俺だけのハーレムができるんだ!」
イッセーはチラシと機械の入ったバックを持つと、意気揚々とチラシ配りに向かう。
「では、部長。チラシ配りに行ってきます! ハーレム王に俺はなるっ!」
廊下からイッセーのそんな宣言が聞こえてきた。
「フフ。イッセーはおもしろい子ね」
「・・・・・・部長がそう思っていただけるんならいいんですが・・・・・・」
イッセーの扱い方を早速理解されたようだ。
まぁ、そんなことよりも──。
「──少しは落ち着いたらどうだ?」
俺は隣でそわそわしながらイッセーが出ていった部室のドアのほうを見ている千秋に言う。
「でも!」
「昨日みたいなことはそうそう起こらねぇよ」
千秋が落ち着きがないのは、単純にイッセーが心配なだけだ。
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