暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第6話 悪魔の仕事、始めます!
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さらに、そのまま堕天使の顎を蹴り上げてしまう!

「ハァァッ!」

 蹴り上げた堕天使の鳩尾に千秋の鋭い回し蹴りが打ち込まれる!
 鈍い音が鳴り、堕天使は叫び声もあげられずに後方へと吹き飛んでいった。

「くっ・・・・・・ここは一時引くか。貴様が生きていることを、まずはあのお方に報告せねばなるまい!」

 堕天使はそう言うと、この場から飛び去っていった。

「ふぅ」

 千秋は息を吐くと、俺のもとまで走り寄ってくる。

「イッセー兄、怪我はない?」
「あ、ああ。俺は平気だ。千秋は?」
「私も大丈夫だよ」

 お互い、怪我はないようだ。

「助かったよ、本当。千秋がいなかったら、俺・・・・・・また死んでたかもしれなかったよ??????」

 ・・・・・・本当、そう思うとゾッとするぜ・・・・・・。
 ・・・・・・にしても、俺、ホントなんもできなかったな。明日夏や千秋に守られてばっかりだ。

「イッセー兄。何もできなかったことは仕方ないよ。イッセー兄は私や明日夏兄と違って、つい最近までこんなこととは無縁の世界にいたんだから」

 たしかにそうだけど・・・・・・それでも。ましてや、男が女の子の後ろでビクビクするとか論外だろ。
 自分の不甲斐なさに打ちひしがれていると、千秋が俺の手を取る。

「イッセー兄」

 千秋が俺の手をやさしく握ってくれる。

「イッセー兄ならきっと強くなれるよ」
「俺がか?」
「うん」

 千秋はやさしそうな笑顔を浮かべる。
 俺は思わず、その微笑みにドキッとして見とれてしまう。
 その笑顔からは、千秋は俺が強くなれることを心から信じているみたいだった。
 そうだよな。クヨクヨしてたって始まらないよな。
 女の子──それも幼馴染みにここまで想われているのなら、応えてやらないと男が廃るってもんだ!
 それに、少しでも強くなれば、千秋も安心してくれるかもしれないしな。

「ありがとうな、千秋。俺、強くなるぜ! 今度は千秋を守れるようにな!」
「うん!」

 よし。とりあえず、堕天使に襲われたことを部長に報告したほうがいいよな。
 また襲われてもあれだし、千秋を後ろに乗せて、俺は部室に向けてチャリを全力疾走をさせるのだった。


―○●○―


 それにしても、強くなるって決めたのはいいけど、どうしたもんかなぁ?
 鍛えてもらえるように明日夏に頼んでみるとか?

「イッセー兄」
「ん、なんだ?」
「強くなるって言ってたけど──もしかして、明日夏兄に鍛えてもらおうなんて考えてる?」
「うーん、まぁ、方法のひとつとしては考えてるかな」
「・・・・・・明日夏兄、たぶん、スパルタだと思うよ」
「・・・・・・あ、やっぱりか」


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