第1章
旧校舎のディアボロス
第6話 悪魔の仕事、始めます!
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するが、当然ドラゴン波など出るはずもなく、素直に何もできないことを打ち明ける。
「ドラグ・ソボールか」
「え?」
「フン。キミの歳じゃ、所詮再放送組だな? 僕なんか直撃世代だぜ!」
森沢さんが立ち上がると、部屋の一画にあるカーテンを開ける。
「見ろ! 全部初版本だよ!」
開けたカーテンの先には、ドラグ・ソボールのコミック全巻が並べられた本棚があった!
それを見た俺は、対抗意識を燃やす!
「ちょ、直撃だからなんだってんですか!」
「何!?」
「俺だって全巻特装版持ってんすよ!」
「ぷっ。貴様にはわかるまい。毎週水曜放送の翌日、アルティメット豪気玉を作るため、友人たちと地球上の豪気を集めた熱い日々を!」
「俺だって悪友たちと公園で『気で探るかくれんぼ』くらいやったつうの! いまでも主人公の空孫悟、世界最強って信じてるっスよ!」
「僕はゼルが最強だと思うがなっ!」
「おぉ、それもある意味アリですね!」
「だろぉ!」
「でも、やっぱ空孫悟、ドラゴン波っスよっ!」
森沢さんはおもむろに、本棚からドラグ・ソボールのコミックを数冊取り出し、テーブルの上に置く。
「フッ。語るかい?」
「語りますか」
それから、森沢さんとドラグ・ソボールについて熱く語り合った。
―○●○―
「・・・・・・はぁ、結局、契約も取れず、熱くドラグ・ソボール談義をしただけ・・・・・・何やってんだ、俺・・・・・・」
もうこれ以上ないくらい、森沢さんと熱く語ったが、それに熱中するあまり、契約を取ることをすっかり忘れてしまった。・・・・・・ホント、何やってんだ、俺・・・・・・。
「でも、楽しそうだったよ? イッセー兄も森沢さんも」
「まぁ、楽しかったけどさ・・・・・・やっぱ、契約を取ってなんぼだろ? 悪魔ならさ」
千秋とそんな感じの会話をしながら、チャリを押して部室に戻っていると──。
「っ!?」
突然、妙な悪寒を感じた!
「・・・・・・イッセー兄」
どうやら、千秋も何か感じているみたいだった。
この感じ、あいつだ! あいつと同じ!? あのドーナシークと名乗っていた堕天使と会ったときと同じ感じだった!
すると、千秋が後ろのほうに振り向いていた。俺も振り向いてみると──。
コツコツ。
スーツを着た女性がこちらに歩み寄ってきていた。
「──妙だな? 人違いではなさそうだ。足跡を消すよう命じられたのは、このカラワーナだからな。まことに妙だ──」
カラワーナと名乗った女性はブツブツと何かを言っている。
この感じ・・・・・・まさか、この女も!?
「なぜ貴様は生きている?」
そう言った女性の背中から、夕麻ちゃん
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