第1章
旧校舎のディアボロス
第6話 悪魔の仕事、始めます!
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ら訊いてくる。
「あぁ、この子は千秋って名前で、悪魔じゃないです。俺の幼馴染みで、見学として来ました」
俺がそう説明すると、森沢さんはギラっと視線を鋭くして睨んできた!
「ちょっと待て・・・・・・キミいまなんて言った?」
「えっ・・・・・・見学として来ました・・・・・・?」
「その前だ!」
「悪魔じゃない・・・・・・?」
「そのあと!」
「・・・・・・俺の幼馴染み・・・・・・?」
「そう、それだ! こんなかわいい幼馴染みがいるとか!? 羨ましすぎるぞ、この野郎!」
いきなりそんなこと言われましても!
「よし。この子だけ残って、キミは帰ってよし!」
「いや! だから、千秋は悪魔じゃないですから! 悪魔の俺がいなきゃ、意味ないでしょう!?」
「うるさい! 屋根伝いで部屋を行き来したり、朝起こしてもらったりなんてしてるんだろ!?」
「いや、家は向かいなんで、屋根伝いで部屋を行き来したりはできませんよ。──まぁ、たまに朝起こしてもらったりはしてますけど・・・・・・」
「死ね! リア充!」
それから、俺と森沢さんは千秋のことでしばらく言い争いを始めてしまうのだった。
―○●○―
森沢さんとの口論が終わり、俺と千秋は森沢さんにお茶を出してもらっていた。
「あ、すいません」
「どうも」
とりあえず、出してもらったお茶をひとすすり。
「で? キミも悪魔なら、特技はあるんだろ? とりあえず、見せてくれよ」
・・・・・・悪魔としての特技かぁ・・・・・・なんもないんですけど。
「・・・・・・あのぉ、ちなみに小猫ちゃんは一体どんな技を?」
「あぁ──」
すると、森沢さんは何かを取り出して言う。
「コスプレでお姫様抱っこだ!」
そう言って取り出したのは、昨今話題のアニメ、『暑宮アキノ』の登場人物である短門キユの制服だった。
なるほど。たしかに小猫ちゃんは短門キユに似ているところがあるから、似合うだろうな。
「──て、そんなの、悪魔じゃなくたって」
わざわざ、悪魔に頼んでまですることなのか?
「ふん、あんな小さな女の子がお姫様抱っこしてくれるなんて、悪魔以外ありえないだろ!」
はぁ、そりゃそうですけど──て、え? してくれる?
俺の脳内でコスプレした小猫ちゃんがだいの大人である森沢さんをお姫様抱っこしている光景が浮かぶ。・・・・・・なんともシュールな絵だ。
「で、キミの特技は?」
「あぁ、えーと・・・・・・」
俺はその場で立ち上がる。
「ドォォラァァゴォォォォン波ァァァァァッ! ・・・・・・・・・・・・すいません、まだ何もできないんです・・・・・・」
ヤケクソでドラゴン波の真似を
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