第1章
旧校舎のディアボロス
第6話 悪魔の仕事、始めます!
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《さくや》、イッセーは堕天使ドーナシークにはぐれとカン違いされて襲われた。そのことがあって、千秋は気が気でないのだ。
とはいえ、あのドーナシークは天野夕麻のサポートもしくは天野夕麻の痕跡の後始末係のはずだ。
イッセーと遭遇したのはたまたまのはずだろう。
そもそも、悪魔である部長の管理地であるこの町に目的を達した堕天使がいつまでも居座ることもないはずだ。
仮に目的であるイッセーが生きていることで居座っているにしても、イッセーはいまや部長の眷属、しかも、部長は悪魔のトップである魔王の妹だ。魔王の身内の眷属に手を出そうとすれば、悪魔と堕天使の間で戦争が再び勃発する火種になりかねない可能性がある以上、ヘタなことはしないだろう。
それは千秋もわかってはいる──が、頭では理解していても、感情まではそうはいかないか。
「・・・・・・部長」
「仕方ないわね」
「だとさ。ただ、あんまり余計なことはするなよ?」
俺がそう言うと、千秋は強く頷き、イッセーのあとを追って部室から出ていく。
「随分と心配性な妹さんね」
「・・・・・・まぁ、昨日のこともありますが・・・・・・生き返ったとはいえ、イッセーが一度死んだことがですね・・・・・・」
イッセーが一度死んだことを伝えたときは本当に大変だった。
「フフ。愛されているのね、イッセーは」
まぁ、もう少し、その行動力をアプローチ方面とかに回してみろって感じですがね。
「ところで、もし仮に堕天使に襲われそうになった場合、彼女は大丈夫なの?」
「ええ。昨日の奴クラスでしたら、イッセーを守りながらでも」
それを聞いた部長は俺のことを興味深そうに見てくる。
「そう。あなたたちの力、この目で見てみたいわね」
「機会がありましたら」
なんとなく、そんな機会はすぐにきそうな気がしていた。
―○●○―
俺たちがオカルト研究部に入部してから、一週間が経った。
今日もイッセーはチラシ配りに、千秋はイッセーの護衛に出ていた。
「・・・・・・部長、どうしますか?」
「そうね」
「どうかしたんですか?」
なにやら、部長と塔城が何かで悩んでいた。
「実は、小猫に予約契約が二件入ってしまって、両方行くのも少し難しそうなの」
「そういう場合はどうするんですか?」
「こういうときは、他の子が代わりに行ってもらっているんだけど、祐斗も朱乃もちょっと手が離せないのよ」
部長は少しの間考え込むと、何か思いついたような反応をする。
「そうね。ちょっと早いかもしれないけど、イッセーに行ってもらおうかしら」
「大丈夫なんですか?」
ベテランである塔城へ来た予約だ。いきなり新人であるイッセーにやらせても大丈夫なの
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