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テイルズ魔術をプリヤ世界にぶちこんでみたかった。
点と線
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僕を中心に地面に新たな陣が投影される。なるほど、これは天狗にもなりたくなる。いや、実際天狗になっているか。イリヤスフィールのことは言えないなぁ

 ――今淀みと戦っても、きっと僕は負ける。そもそも相手は戦闘慣れしているのに対し僕は答えが導き出せるだけだからだ。こんな莫大な力があっても応用力がなければ意味がない。
 単独で挑んだならなら最後、呆気なく無惨に腸を抉り出されて殺されるだろう。

 そう、僕一人なら。

「――強化魔術の陣を解放する」

◆◆◆

 その戦闘は苛烈を極めていた。放とうとも弾かれ、避けられ、かすりもしない。深い桃の魔力が馬鹿の一つ覚えと言わんばかりに放たれる。されど先程よりは学んだのか、ただの直上のものではなく当てることを目的とした広い範囲にばらまかれる散弾状の魔力弾、その速度は銃弾と変わりないことを少女は知りもしないし無自覚でそうしていた。

 だがまだ足りない、紫の女は蛇を思わせる変幻自在な動きと縦横無尽にかける脚で巧みに避けていく。児戯にも等しいと口を吊り上げる。あの姉達が強いてきたお仕置きこと地獄に比べればこの程度で音をあげる筈もなし。
 隙のバーゲンセールである少女へと鎖で繋がれている釘を投擲する。少女は思わず笑ってしまうほどに慌て、攻撃の手を止めその場へと頭を抱えて伏せる。確かにそうすれば釘は避けられダメージは防げる、実際今少女の頭上を釘が通過していった。だが次の手に対しては驚くほどに無防備であることに少女は気付けやしない。

 校庭の地面に皹を入れる脚力を持って踏み込み、一気に距離を詰める。

『っ。全魔力を物理障壁に――!』

 もう遅い、その一手は少女が立ちすくんだ時点ですべきであった。全ては礼装の慢心と少女の経験の無さが生んだ、ある意味必然の出来事。
 少女の眼にうつったその放たれる一撃は岩どころかその魔力障壁さえも砕くであろう踵落とし。今死神の鎌のように降り下ろされ、少女を頭部を無惨にも砕く。
 ――はずだった。

「……ほぇ?」

 来るべき痛みが来ない、訪れるべき終焉がやって来る気配がしない。その違和感に閉じた目を開けた少女の目に映ったのは、自身の目の前で止まる女性の脚、それと自分を遮る半透明の六角形。

「ッ!」

 そうして数瞬の後、黒の塊が弾かれたように吹っ飛ぶ。最初の一手目以来に吹っ飛んだ女性を見て少女は目を丸くし、礼装は訝しむ。遠坂凛は見ての通り校舎の影から離れていない、その表情がかなり笑える絵になる呆然としているのが気になるところ。であれば第三者と見るのが妥当だろうか。

 そうした推察の答えは、すぐにひっくり返ることとなる。目の前に脳内から排除していた、その張本人が立っていたからだ。

「ど、どうして……?」

「――僕にもど
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