第2章:異分子の排除
第35話「その太刀筋の輝きは」
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している事に桜は気づく。
「...やっぱり、会うのが怖いか?」
「っ...!...その通りだ。...今、秋十に会ったら、罪悪感で潰れてしまいそうだ。」
「そうか...。」
そこで桜は徐に竹刀を拾い、箒に投げ渡す。
「言葉でどうすればいいのかわからないのなら、剣で語ればいい。」
「っ、そういう問題では...!」
竹刀を受け取った箒は、桜にそう言い返す。
「秋十君に憧れた剣筋なんだろう?」
「っ....!どこでそれを...!」
「俺、束と幼馴染なの忘れてる?」
桜にそう言われ、ハッとする箒。
「ね、姉さん....!今度会ったら....!」
そして、今度会ったらタダじゃおかないと深い憤りを持った。
「....まぁ、なんだ。罪悪感でしおらしくなっても、それでは何も解決しない。....だったら、いっそのこと自分らしくいろ。...それだけで、秋十君は応えてくれる。」
「....自分らしく...。」
「秋十君はあれでも鈍感だ。...多分、剣筋が似てる程度にしか思わないって。」
「それはそれで困るが...。」
苦笑いしながら箒は桜の言葉を反芻し、立ち上がる。
「...私らしく..か。確かにそうだな。会わずにへたれているのは、ただの“逃げ”だ。当たって砕けろ...とまでは言わないが、私らしくしよう。」
「その意気だ。....もう、大丈夫そうだな。」
「ああ。色々とすまなかった。」
「別にいいさ。じゃ、俺はもう行く。」
そういって桜は剣道場を去る。
箒も、気持ちを新たに寮へとそのまま帰っていった。
「....あ、桜さん、どこ行ってたんですか?」
「ん?ちょっとな。」
寮に帰り、部屋で待っていた秋十からの問いを、桜ははぐらかす。
「そういえば結局、桜さんたちだけで解決してしまいましたね。」
「あー、秋十君には避難する人たちの安全を確保してもらってたっけ?...思った以上にあっさりと終わらせられたしな。」
クラス対抗の時と違い、システムの妨害がなかったため、その分教師たちが早めに駆け付け、あっさりと鎮圧されたのである。
「マドカも拍子抜けしてましたよ。」
「すまん。予想以上に相手が大したことなかった。」
ちなみに桜の予想では、教師と互角ぐらいの強さを想定していた。
...アミタやキリエがいる時点でその予想は崩壊していたが。
「...なんだか嬉しそうですね。何かいいことあったんですか?」
「ん?そう見えるか?...そうだな...。」
自分でも気づかない内にそうだったのかと、桜は記憶を振り返る。
「...あ
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