第2章:異分子の排除
第35話「その太刀筋の輝きは」
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ありえない事でもないよ。俺や束だってできるしな。...ただ、それは科学的な方法でだ。...彼女の場合、オカルト的な方法で洗脳されたんだ。」
「そんな事が...。」
「できる奴がいるんだよ。...今はもう無理だけどな。」
この場にはいないその人物を、嘲笑うかのように桜は言う。
「なるほど...。信じがたい話だが、こんな事で態々嘘をつく必要もなさそうだ...。」
「誤魔化すための嘘とは思わないのか?」
「こんなのを嘘とするなら、真実はもっとひどい事になる。どっち道信じた方が気分的にも楽さ。」
「ま、言えてるな。」
軽口を叩き合う桜とシグナム。そこでふとシグナムが気づく。
「...今更だが...篠ノ之博士との関係は...。」
「確かに今更だな...。ま、幼馴染って奴だ。諸事情で10年以上会えてなかったけどな。」
苦笑いしながら桜は言うが、当のシグナムは驚愕していた。
「必然的に千冬とも幼馴染って訳になる。...まぁ、そんな大事のように捉えなくてもいいぞ?別にやましい事してなければ無闇矢鱈に干渉しないし。」
「そういう問題ではないのだが...。」
衝撃の事実に頭を抱えるシグナム。
「...帰る。もう、私の出る幕ではなさそうだしな...。」
「なんか疲れさせちまったな...。ま、束と同じ訳ではないが、今度適当にお礼しに行かせてもらうよ。」
「ああ....。」
少し遅い足取りで、シグナムは去っていった。
「....さて、落ち着いたか?」
「.......少しは...。」
シグナムが去り、桜は箒に声をかける。
少しは頭の整理ができたらしく、箒はそう答える。
「っ.....!」
「...やめておけ。当事者がどうであったにせよ、復讐はお前がするような事じゃない。」
傍に置いてある竹刀を持ち、立ち上がろうとするのを桜が抑える。
そうでなければそのまま一夏を襲いに行こうとするほど、箒は怒りに震えていた。
「だが!奴を野放しにしておく訳には...!」
「泳がせておくのさ。...その方がいい。」
にやりと、あくどい事を企んだような笑みを桜は浮かべる。
「....なんというか、姉さんと同じような...。」
「まぁ、そりゃあ同じ天才だし?それに容姿も似ているしな。」
「........。」
「あ、黙って距離を取らないでくれ。傷つく。」
姉と同じ類なら...と距離を取ろうとする箒を桜は引き留める。
「....小さい頃、おかしくなる前に幼馴染の話を姉さんから聞いたが...。」
「...多分、それ俺だな。」
「やはり...か。」
ふと、どことなく話を逸ら
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