暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第35話「その太刀筋の輝きは」
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ありえない事でもないよ。俺や束だってできるしな。...ただ、それは科学的な方法でだ。...彼女の場合、オカルト的な方法で洗脳されたんだ。」

「そんな事が...。」

「できる奴がいるんだよ。...今はもう無理だけどな。」

 この場にはいないその人物を、嘲笑うかのように桜は言う。

「なるほど...。信じがたい話だが、こんな事で態々嘘をつく必要もなさそうだ...。」

「誤魔化すための嘘とは思わないのか?」

「こんなのを嘘とするなら、真実はもっとひどい事になる。どっち道信じた方が気分的にも楽さ。」

「ま、言えてるな。」

 軽口を叩き合う桜とシグナム。そこでふとシグナムが気づく。

「...今更だが...篠ノ之博士との関係は...。」

「確かに今更だな...。ま、幼馴染って奴だ。諸事情で10年以上会えてなかったけどな。」

 苦笑いしながら桜は言うが、当のシグナムは驚愕していた。

「必然的に千冬とも幼馴染って訳になる。...まぁ、そんな大事のように捉えなくてもいいぞ?別にやましい事してなければ無闇矢鱈に干渉しないし。」

「そういう問題ではないのだが...。」

 衝撃の事実に頭を抱えるシグナム。

「...帰る。もう、私の出る幕ではなさそうだしな...。」

「なんか疲れさせちまったな...。ま、束と同じ訳ではないが、今度適当にお礼しに行かせてもらうよ。」

「ああ....。」

 少し遅い足取りで、シグナムは去っていった。

「....さて、落ち着いたか?」

「.......少しは...。」

 シグナムが去り、桜は箒に声をかける。
 少しは頭の整理ができたらしく、箒はそう答える。

「っ.....!」

「...やめておけ。当事者がどうであったにせよ、復讐はお前がするような事じゃない。」

 傍に置いてある竹刀を持ち、立ち上がろうとするのを桜が抑える。
 そうでなければそのまま一夏を襲いに行こうとするほど、箒は怒りに震えていた。

「だが!奴を野放しにしておく訳には...!」

「泳がせておくのさ。...その方がいい。」

 にやりと、あくどい事を企んだような笑みを桜は浮かべる。

「....なんというか、姉さんと同じような...。」

「まぁ、そりゃあ同じ天才だし?それに容姿も似ているしな。」

「........。」

「あ、黙って距離を取らないでくれ。傷つく。」

 姉と同じ類なら...と距離を取ろうとする箒を桜は引き留める。

「....小さい頃、おかしくなる前に幼馴染の話を姉さんから聞いたが...。」

「...多分、それ俺だな。」

「やはり...か。」

 ふと、どことなく話を逸ら
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ