第2章:異分子の排除
第35話「その太刀筋の輝きは」
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の症状って所だね...。今まではさー君の不思議パワーで元に戻してたけど、実際に症状を見るとなかなかに厄介...!)」
束は箒の頭を膝に乗せ、額に手を触れて熱を測る。
「....ごめんね、箒ちゃん。...でも、これからは大丈夫だから...。」
「っ...秋..十....。」
「...箒ちゃんにとって、あっ君の努力をする姿が、何よりも印象深かったんだね...。それがあの子との剣の打ち合いで思い出された...。」
頭を撫で、慈しむように箒の過去について呟く束。
そこへ、シグナムが戻ってくる。
「濡らしてきました!」
「貸して!」
すぐに束はタオルを受け取り、持ってきた保冷剤を包み、箒の額に乗せる。
普通の治療ではどうにもならないので、これで凌ぐようだ。
「しかし...なぜ貴女のような人物がここに...。」
「大事な妹だからね。異常があれば駆け付ける。...その異常に気づけるようにちょっと...ね。ま、天災の束さんに掛かればこれぐらいちょろいちょろい。」
実際は人工衛星から箒の様子を見ていただけである。
「...では、なぜ彼女は...。」
「...記憶の矛盾によるオーバーヒートみたいなものだよ。実際に覚えている嘘の記憶と、根底に眠る本当の記憶による矛盾...それが原因だよ。」
「記憶の...矛盾?」
記憶喪失などが起きても起きないであろう現象に、シグナムは首を傾げる。
「そういう、オカルト染みた事をした人物がいるんだよ。」
「そう...なんですか...。」
いまいち自身の理解が追いつかない話だと、シグナムは思った。
「ごめんね。いきなりこんな事になって。...そして、ありがとう。これで箒ちゃんを正気に戻せるよ。」
「...私としては、ただ“迷い”を正そうとしただけですが...。」
「それでもいいよー!結果的にそれが一番効果的だったんだから!ね、今度お礼をしてあげるよ。何が欲しい?専用機?それとも...。」
箒に膝枕をしつつも、捲し立てるように言う束にたじろぐシグナム。
そこへ、地面を滑るような音と共に桜が飛び込んでくる。
「っ、あー!剣道場が遠い!すまん束、遅れた!」
「おっそーい!とりあえず、早くやって!」
すぐさま駆け寄り、箒に手を翳す。
すると箒が淡い光に包まれ、頭痛が治まったのか呻き声が治まる。
「今のは...。」
「一応、他言無用...な?」
「...わかりました。」
桜にそう言われ、自分が出る幕ではないとシグナムは思って引き下がった。
「....姉...さん.....?」
「熱も治まった...ね。箒ちゃん、調子はどう?」
頭痛に苛
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