第2章:異分子の排除
第35話「その太刀筋の輝きは」
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れでも一夏の剣とはあまりに違うとシグナムは感じていた。
「そうだ!誰が、あのような腑抜けた奴...に....。」
「....ん...?」
否定しようと言葉を紡ぐ中、箒は自身に芽生えた違和感に気づく。
「(...腑抜けた...?奴が...?)」
自身で言っておきながら、秋十が腑抜けた姿を思い出す...想像する事も出来なかった。
その時、箒の頭に一つの光景が浮かんだ。
―――ねぇ、君はどうしてそこまで頑張るの?
―――どうして...ですか。...俺には、才能なんてありませんから。
それは、幼き頃の記憶。
自身の姉と、出来損ないと蔑まれた努力家の会話を物陰から覗いていた記憶だった。
「ぐっ...!?(なんだ...!?今のは...!?)」
「どうした!?」
その直後、突然頭痛が起こり、箒はその場で蹲る。
―――俺は弱い。だから、それだけ努力するんだ。
―――...俺には、それしかできないからな。
「っ...ぁ....!?」
それは、あの日憧れを抱いた時の記憶。
その真っすぐな在り方に子供ながら美しいと感動し、彼に憧れた記憶だった。
「大丈夫か!?っ...頭を打ったはずはないが...!」
「ぐ...ぅ....!」
幼き頃の、忘れられていた記憶。
それらが次々に頭に浮かび、箒は頭痛に苛まれる。
「っ、ぁ...あ、秋...十......?」
「すまない!やりすぎたか...!?とにかく、保健室に...!」
もしかして打ちのめしすぎたのかと勘違いしたシグナムが、箒を連れて行こうとして...。
「いつもニコニコ貴女の隣に這いよるお姉ちゃん篠ノ之―――」
「っ!!」
「―――たb、ってわぁっ!?」
突然現れた女性に反射的に竹刀を振るってしまう。...尤も、躱されたが。
「しまった...!反射的に....!って、貴女は...!?」
「いきなり竹刀だなんてひどいよー!...って、そんな場合じゃなかった!」
シグナムは反射的に竹刀を振るった事を謝ろうとして、その相手に驚く。
その相手...束はそんな事をお構いなしに箒へ駆け寄る。
「ちょっとタオル濡らしてきて!応急処置するから!」
「え、あ、はいっ!...しかし、保健室に連れて行った方が...。」
「さー君呼んだから大丈夫!保健室に運ぶより束さんが看た方がいいんだよ!」
シグナムの問いに束は色々小道具を取り出しながらそういう。
「ほら、急いで!」
「わ、わかりました!」
催促され、慌ててシグナムはタオルを濡らしに行く。
「(頭痛による高熱...記憶改竄に抵抗する際
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