機動戦艦ナデシコ
1464話
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きしめないのは、起こさないようにしている為か。
「残念ながら、そんな真似をしても無駄よ。……少なくても私は過去の火星に飛ばされた。そして記憶を失い、ネルガルの研究員夫婦に拾われる事になる」
「記憶を失う、ですか?」
ユリカの言葉に、イネスは頷きを返す。
「ええ、そうよ。残念ながら……というのはちょっとどうかと思うけど、実際に記憶を失ったんだから仕方がないわね。その結果、私は私を拾ってくれた研究員夫婦の子供として育てられた。そして大きくなった私は、両親と同じ研究者となった」
「……なるほど、ね。正直普通にその話を聞かされても信じられないだろうけど……テンカワ君を連れてきた事を考えると信じざるを得ないか」
アカツキはテンカワの方を見ながら呟く。
実際テンカワを連れてくるようにと言ったのはイネスであり、そしてテンカワを連れて遺跡に来てみれば丁度アイちゃんがボソンジャンプしてきた。
そう考えれば、イネスの言ってる事は絶対に間違っているとは言えないだろう。
ただまぁ、幾つか疑問もある。
そもそも、何故今日ここにアイちゃんがやってきたのか。
アイちゃんが転移してくるのが今日この時だったとして、何でそれに合わせたように俺達が遺跡の探索をする事になった? それに何より……
「記憶を失っていたイネスが、何故昔の事を思い出しているんだ?」
そう、過去の火星にボソンジャンプして記憶を失うのであれば、イネスは何故それを覚えているのか。いや、それは記憶を取り戻したって事なんだろうが、いつ記憶を取り戻したのかという疑問もある。
そんな俺の疑問に、イネスは薄らとした笑みを口元に浮かべる。
「いつ……と具体的に言うのは分からないわね。徐々に……少しずつ記憶を取り戻していった、という方が正しいわ」
「徐々に、ね。……記憶喪失というのはそういうものなの?」
イネスの言葉に、マリューがレモンへと尋ねる。
レモンは量産型Wの件もあるし、疑似記憶や疑似経験といったもの使っている関係もあって、記憶とかについてもかなり詳しい。
だが、そんなレモンであってもマリューの疑問には首を傾げるしかなかった。
「どうかしら。普通ならそういう事も有り得るけど……そこにボソンジャンプという要素が加わればどんな風に影響してくるのかはちょっと分からないわ」
そうなんだよな。ボソンジャンプというのは俺達に取って非常に未知の要素が強い。
である以上、そこに何らかの要素があったとしても今の時点で確実に調べる事が出来るとは限らない。
……まぁ、分からないのは今のところであって、実際には時間が経てばボソンジャンプについてを完全に解明してもおかしくないのがレモンがレモンたる由縁なのだが。
「イネスさん……いや、アイ
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