機動戦艦ナデシコ
1464話
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、木連の攻撃を受けたときにアキト君と同じ場所に避難していたのだけど、そこに無人機が来て、アキト君は地球にボソンジャンプしたけどアイちゃんは過去の火星にボソンジャンプしてしまった。ちなみにアイちゃんが持っていたミカンはアキト君があげた物ね」
子供を相手に無人機が襲い掛かったと聞き、月臣が不愉快そうに顔を顰める。
……もしかして、この様子を見る限りだとバッタとかが子供を殺すとは思ってなかったのか?
それとも知ってはいたけど、止める事が出来なかったとか。
草壁が事実上の木連の支配者だったのを考えれば、あるかもしれない。
「そしてアイちゃんが過去の火星で会ったのが、この文明を作った人達。つまり古代火星文明を築いた人達」
イネスの視線が再度テンカワの方に向けられるが、そこでは泣き疲れたのだろう。つい先程まで泣いていたアイちゃんは、テンカワに抱きついたまま眠りについていた。
まぁ、あのミカンを持っていたのを考えれば、多分テンカワが地球に転移した時から主観時間としては殆ど時間が経ってないのだろう。
テンカワにとっては数年前の出来事であっても、アイちゃんにとってはつい数時間前……下手をしたら数十分前の出来事という可能性すらある。
そう考えれば、疲れて眠くなってしまっても無理はない、か?
「……何故フレサンジュ博士がそこまで詳しく彼女の事を知っているのか。それを聞いてもいいかい?」
「アカツキ会長、私の名前は何かしら?」
「は? イネス・フレサンジュ博士だろう?」
「そう。イネス。そしてイネスのイはアルファベットのI。……アイ。そう言えば分かるかしら?」
「……は? いや、それは……え? つまり、そういう事なのかい!?」
「そうよ。そこにいるアイちゃんは、もうすぐ自動的にボソンジャンプしてしまう。それこそ今よりももっと昔の火星にね。そこでネルガルの研究者に拾われて、イネス・フレサンジュという名前になるの」
……つまり、アイちゃん=イネスという事になるのか?
タイムパラドックス的な感じでどうなるんだ?
いや、別にどっちかがどっちかを殺したりしている訳じゃないんだし、それは問題ないのか? ……それでも色々と思うところはあるが。
うん? 待て。じゃあ、つまり……
「イネスは全てを知ってたって事か?」
呟くと、その場にいた全員の視線がイネスへと向けられる。
だが、その疑問の視線にイネスは首を横に振って否定した。
「残念ながら外れね。この後、この子はどうやっても過去の火星に飛ばされる事になる」
「何だって!?」
イネスの言葉に最初に声を上げたのは、当然ながらテンカワだ。
自分の腕の中で眠っているアイちゃんを離してなるものかと言わんばかりにそっと抱きしめる。……強引に抱
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