機動戦艦ナデシコ
1464話
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にならないように短く言葉を交わす。
技術班だけあって、現状がどんな風になっているのかの理屈を考えているんだろう。
「……さて、そろそろ事情を聞かせて貰えないかな、イネス・フレサンジュ博士」
そんな中、遺跡の中にアカツキの声が響く。
イネスに呼び掛けながらも、アカツキの視線が向いているのはアイちゃんの方だ。
アカツキの声とかは全く聞いた様子もなく、話している内に感情が高ぶったのかテンカワに抱きついて泣いている。
これにはユリカも文句を言えないのか、多少頬を膨らませながらも黙っていた。
「説明しましょう!」
……実はイネス、自分に話を振られるのを待っていたのか?
いやまぁ、説明好きなのを考えれば不思議でも何でもないが。
実際問題、強引にテンカワを今回の調査に連れてきたのはイネスだ。
そして遺跡に姿を現した、テンカワの知り合いのアイちゃん。
これに何の関係もないと思えという方が無理だろう。
嬉しそうなイネスの様子は、説明が出来るからか……それともテンカワとアイちゃんを再会させる事が出来たからか。
理由の有無はともかく、イネスの説明を聞くとするか。
「アクセル達がコアユニットと呼んでいるこの装置。正確にはボソンジャンプの演算ユニットと呼ばれる物です。この演算ユニットがあるからこそ、私達はボソンジャンプをする事が出来るの。それはいい?」
「……まぁ、色々と聞きたい事はあるけど、それは今はいいよ。話を続けて」
アカツキが促すと、イネスは笑みを浮かべて話を続ける。
「古代火星文明……そう言われているこの文明は、正確には火星で興った文明ではないの。それは木星付近に生産プラントがあった事から考えても明らかでしょう?」
イネスの視線が向けられたのは、この場で唯一の木連の人間である月臣。
色々と思うところはあるのだろうが、今は黙ってイネスの話を聞いている。
「正確には、旅をしている途中で火星に寄り、そしてこの遺跡を作った」
「それより、なんでアイちゃんがここにいるんですか!?」
ユリカが我慢出来ないと叫ぶ。
まぁ、それは分からないでもない。基本的には嫉妬深いユリカだ。自分が好きなテンカワが子供ではあっても自分以外の女と抱き合っているのが許せないんだろう。
これでテンカワが普段からユリカとそれなりに仲が良ければ多少の余裕はあったかもしれないが……テンカワはエリナに惚れていて、ユリカの想いは完全に一方通行だったしな。
そんなユリカからの視線を受け、イネスは苦笑を浮かべて口を開く。
「しょうがないわね。その辺から話しましょうか。……さて、知らない人もいると思うから最初から話すと、さっき姿を現してアキト君に抱きついているのはアイちゃん。元々火星の生まれで
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