ep.016 『カフェ・ポジ・イタリアン』
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いるようだ。
「このお店って開店何時からなんでしょうか。」
そんな質問を隣で見ていた御臼が言った。
「んな事、店でたら分かんだろ?」
とライターが返す。
「兄さん。少し黙ろうか。」
とシャーロックの言葉。
「お、おう。」
ライナーは御臼の方を見ながら頭を降ろした。弟に一言言われて縮こまる兄はどうかと思うが、実際兄弟喧嘩になってしまえばライナーに勝ち目のないことを彼は自身で知っている。過去にあったから知っている。
そして追記、シャーロックがしたのは兄のライナーを叱りつけたのではなく、仲間に対して少し乱暴な言い方だったので止めただけである。
まだ二人がこの組織に入ったばかりの事、ほとんど同時期と言ってもいいほどにすぐ入ってきた当時の御臼をライナーが鳴かせてしまったことがあったのだ。
本人はそのことを少し根に持って今でも後悔はしているものの、口調を直すというのはそう簡単ではなく悪戦苦闘の末に結局とはなるが、シャーロックに止めてもらう事となったのである。
「はい。言われてみればそうですね。」
少し行ってきます。
「え、外行くの? じゃああたしもいく!」
と千尋が言う。
「あ。姉ちゃん行くんなら俺も俺も。」
と、水無月弟が軽くチャラ臭く言って立ち上がった。
と三人が木製と思われるおしゃれ目な扉を開ける。
扉を開けると、外側に取り付けられたベルから《チャリンッ》と音がする。扉には『CLAUSED』の掛札か掛けられてある。
辺りを見回すと、もう時計が9時あたりを回っていることもあってか結構に人が流れている。
そして、目的。隣のA面黒板に書かれてあるチョークの文字。
それをいるために三人だと邪魔なのでA面黒板のやや右目に御臼、正面にかがむ千尋とその後ろに陽炎というポジションになる。
本日のおすすめとある事からもうすぐ開店するのだろうか。そんなことを考えたが、その『本日のおすすめメニュー』のすぐに上、『PM 00;00〜PM 23:30』の文字が見えた。
「12時からか。」
陽炎が言う。
「お店が始まってしまう頃にはさすがに出ていかないと営業妨害になっちゃいますね。」
言い、戻りだす。扉に近い陽炎から扉を開け、
「どうぞどうぞ。」
陽炎は千尋と御臼のために扉を開けている。
「ホントあんたってそういうところは気が利くのね。」
「ありがとうございます。」
と、姉の関心と同僚の感謝を受ける陽炎。悪い気分にはならない。
「で、何時だった?」
下根がパスタを巻きながら言っている。
「12時かららしいので・・・・・・・・・」
御臼
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