第6章 『八神はやて』
第47話 魔法少女リリカルはやて
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重したい一心からに過ぎなかったのだから。
事実、いままで通りの生活が続くことで、わたしの強張った心は、徐々に氷解して行った。
そして、9歳の誕生日の日。不思議な夢を見て、泣きじゃくった日。
すすり泣くわたしの背を撫でてくれる手の温かさ。
猫の状態になって(二人の義姉は、養父の使い魔で本当の姿は猫である)身を寄せてくれた義姉たち。
このとき、やっと、ここは自分が居てもいい場所なんだ、と理解できた。
ああ。この人たちは、わたしの家族なんだ、と理屈ではなく、心で理解した。
こうして、養父に、グレアム姓を名乗ることを伝え、ハヤテ・Y・グレアムは誕生したのである。
(その日を境に、わたしたちは、本当の家族になった)
昔のことを思い出しながらも、慣れた手つきで料理を作り続ける。
今日は、提督就任のお祝いを家族ですることになっている。
お祝いだから外で食べよう、と言われたが、わたしの希望で、自宅で、家族だけのお祝いをすることになった。
お祝いされる本人が料理を作るのは、おかしい。などと、カリムには言われた。
だが、自分の作った料理を食べて、笑顔でおいしい、と言ってもらえた瞬間が、何よりもわたしの喜びだった。
だからこそ、腕によりをかけて仕上げて見せた――ただ、少々作りすぎたかもしれない。
きっと驚くだろうなあ、と思いながら家族を呼ぶ。
「夕飯が出来たで。ほな、食器を準備してや」
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