暁 〜小説投稿サイト〜
『八神はやて』は舞い降りた
第6章  『八神はやて』
第47話 魔法少女リリカルはやて
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
重したい一心からに過ぎなかったのだから。


 事実、いままで通りの生活が続くことで、わたしの強張った心は、徐々に氷解して行った。
 そして、9歳の誕生日の日。不思議な夢を見て、泣きじゃくった日。
 すすり泣くわたしの背を撫でてくれる手の温かさ。
 猫の状態になって(二人の義姉は、養父の使い魔で本当の姿は猫である)身を寄せてくれた義姉たち。


 このとき、やっと、ここは自分が居てもいい場所なんだ、と理解できた。
 ああ。この人たちは、わたしの家族なんだ、と理屈ではなく、心で理解した。
 こうして、養父に、グレアム姓を名乗ることを伝え、ハヤテ・Y・グレアムは誕生したのである。


(その日を境に、わたしたちは、本当の家族になった)


 昔のことを思い出しながらも、慣れた手つきで料理を作り続ける。
 今日は、提督就任のお祝いを家族ですることになっている。
 お祝いだから外で食べよう、と言われたが、わたしの希望で、自宅で、家族だけのお祝いをすることになった。


 お祝いされる本人が料理を作るのは、おかしい。などと、カリムには言われた。
 だが、自分の作った料理を食べて、笑顔でおいしい、と言ってもらえた瞬間が、何よりもわたしの喜びだった。
 だからこそ、腕によりをかけて仕上げて見せた――ただ、少々作りすぎたかもしれない。
 きっと驚くだろうなあ、と思いながら家族を呼ぶ。


「夕飯が出来たで。ほな、食器を準備してや」
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ