第6章 『八神はやて』
第47話 魔法少女リリカルはやて
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と出会い――残りの人生を、この娘のために、使おうと決心した。
その結果が――親ばかの誕生だった。
「はいはい。お父様は、はやてのことになると本当に饒舌になるんだから。その話は、もう100回くらい聞いたわよ」
「アリアの言うとおりよ……。娘自慢も大概にして欲しいわね」
その後、3時間に渡って延々と娘自慢を聞かされ使い魔たち。
その憔悴した姿を見つけたはやてが、慌てて病院に運ぼうとしたのは余談である。
◆
これは、ハヤテ・Y・グレアムが、まだ八神はやてだった頃の話。
9歳の誕生日に、彼女は、別の世界で、5歳くらいから9歳まで暮らす夢を見た。
その夢の中では、両親が生きており、彼女は幸せに暮らしていた。
けれども、ちょうど9歳の誕生日を控えた夜に、謎の化け物に両親が殺された。
両親に庇われ、一度は助かったが、次の瞬間には、化け物と目が合ってしまう。
そのとき、青白い光が部屋の中を満たし――目が覚めた。
起きたときは酷く取り乱し、訳も分からず泣き喚いてしまったことを覚えている。
それは、夢の中で、今は亡き両親と幸せに暮らしていたからだろうか。
それとも、目の前で、両親が殺される瞬間を見てしまったからだろうか。
泣きじゃくる彼女にさえ、理由は分からない。
ただただ、感情に任せて泣き叫んだ。
驚いた養父――ギル・グレアムは、一晩中、側に居て黙って背中を撫でてくれた。
不器用な彼は、どうしていいかわからず、彼女が泣き止むまでずっと側にいることを選んだ。
けれども。
下手な慰めよりも、家族の温もりを肌で感じて、それが嬉しくてますます泣いた。
それは――とても恥ずかしいけれども、とても大切な家族との思い出。
◆
幼少のころより、引き取られてから、わたしは、実の娘のように育てられていた。
しかし。学校に入り、身の回りのことを理解できるようになって、自身が本当の娘ではないことを知った。
自分の名前が、「八神はやて」で、グレアム姓を名乗ってない理由を知ってしまったのだ。
実は、本当の家族ではない、と知ったときの衝撃は、いまでも覚えている。
いままで当然だと思っていた日常が、突然崩れたように感じた。
わたしの苦悩を知っているのか、いないのか。
養父や、義姉的存在の二人は、接し方を変えることなく日々を過ごすようにしていた。
後で聞いた話では、彼らも苦悩していたようだ。
けれども、無理やり言い含めるよりも、ゆっくりと一緒に過ごす時間を通じて、お互いの理解を深めていけばいい、と彼らは考えた。
グレアム姓を名乗るかどうかについても、わたしの意思を尊
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