第6章 『八神はやて』
第47話 魔法少女リリカルはやて
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「早く帰って、グレアム養父さんと、ロッテ義姉さん、アリア義姉さんに夕飯を作らないと……わたししか料理できないもんなあ」
――――笑顔で夕飯の献立を立てる姿は、決して嘘ではないだろう。
◆
「早いものだ。あんなに小さな子供だったあの子が、提督になるとはな。私を尊敬していることは、嬉しいが。危険なことはして欲しくはないものだ。いや、親の勝手な都合を押しつけてはいかんな」
八神はやての両親は、彼女が4歳のときに、事故で亡くなった。
親戚もおらず、児童養護施設に送られそうになった彼女を、たまたま現場に居合わせたイギリス人が引き取りを申し出た。
「偶然の出会いとはいえ、私も突拍子もない行動をしたものだ。けれども、あのときの出会いがあるからこそ、いまの私がいる。あの子のお陰で、私は人生に生きる道を見出したのだから……」
苦笑しながら、昔を思い出す。
彼は、休養のために、保養地として名高い海鳴市に来ていた。
たまたま交通事故の現場に居合わせた彼は、4歳だった少女を酷く気にかけていた。
理由は彼にも分からない。
けれども、何故かその少女が気に掛って仕方がなかったのだ。
彼女に引き取り手がおらず、児童養護施設に送られると聞いた時、彼――ギル・グレアムは、後見人として名乗り出たのである。
彼は、もともとイギリスの名家出身であり、たまたま縁があって管理局員になったという経歴を持つ。
身元がしっかりしていることもあり、後見人として、養育することになった。
養子縁組をするかどうかは、彼女の意思に任せる、として。
その少女の名は――八神はやてといった。
「もし、運命というものがあるのなら。私とあの子の出会いも、運命だったのかもしれない。
あの子は、私の希望そのものだから。ただただ偽物の英雄として朽ちていくだけだった私に、希望を与えてくれた」
ミッドチルダの屋敷で、ギル・グレアムは、昔を思い出していた。
八神はやてを引き取ったのは、偶然に過ぎない。
なぜ彼女を引き取ろうと思ったのかは、自分でもよくわからない。
けれども、どうしようもない衝動に突き動かされたのだ。
人一人の人生を背負うのだ。
衝動的に決めたこととはいえ、全力で成長を見守ろうと決めていた。
部下を手にかけ。望まぬ英雄に祭り上げられ。管理局を辞した。
地球で、使い魔たちと余生を過ごそうと思っていた矢先のことだ。
仕事一筋で、結婚もせず、使い魔の二人が、娘代わりだった。
管理局を辞め、地球に戻ったものの、何をすればいいのか分からない。
とりあえず、使い魔たちの薦めに従い、世界各地を巡る旅をしていた。
その最中に、はやて
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