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『八神はやて』は舞い降りた
第6章  『八神はやて』
第47話 魔法少女リリカルはやて
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奴やで。リンディさんを見習ってほしいわ」


 憮然とした表情をする少女を見て、話題を変えたほうがいい、と思案する。
 やや悪くなった空気を振り払うように、騎士は、愚痴を遮り、話かけた。


「……それにしても。貴女をみていると、管理外世界出身者とは、とても思えないわね」
「わたしもそう思う。なぜか、地球出身者は、高ランク魔道師が多いみたいや」


 ――――第97管理外世界「地球」 


 教会騎士と話をしている少女は、「地球」の出身だった。
 彼女の養父も、「地球」の出身者であり、偶然出会ったという。
 愚痴とも惚気ともつかぬ言葉を続ける目の前の少女を見ながら、教会騎士の少女――カリム・グラシアという名前である――は嘆息する。
 場の空気はよくなったものの、家族の自慢話を延々と聞かされるのは、勘弁してほしい。


「――――って、カリム、聴いている?」
「はいはい、聞いていますよ。その話はもう終わりかしら」
「うーん。まだ言い足りないけれど……」


 もう一度、ため息をつきながら、あきれたように声をかける。


「本当にファザコンよね、貴女。でも、おじさまは、どうして貴女を魔法と関わらせたのかしら? 管理外世界で、魔法と無縁の暮らしをした方が、安全だと私は思うのだけれど」
「ああ、それはな。ジュエルシードっていうロストロギアのせいや」


 ――――願いを叶える蒼き宝石『ジュエルシード』


 と、呼ばれるロストロギア。
 しかし、願いを歪めて叶える26個のジュエルシードは、たったひとつで、次元世界を崩壊させかねない。
 その危険物が、偶然、地球に撒き散らされた。
 そのジュエルシード収集にて、現地協力者となったのが、類まれなる魔法の才能をもつ『二人』の少女だった。


 わずか8歳。
 魔法初心者ながらも、めきめきと頭角をあらわす二人。彼女たちは、ひと月と経たないうちに、管理局の武装隊を越える実力を持つに至る。
 事件の解決にも、大いに貢献した。
 その片割れである、ファザコン少女は、その実かなりの大物なのだ。


「たしか、そのロストロギア事件って、9歳の誕生日前……8歳のときに遭遇したのよね?事件の解決後、ミッドチルダに移住。その後、9歳で士官学校に入学。
卒業後、そのまま執務官試験に、最年少で合格。順調に出世を重ねていき、最短記録で提督に就任――ってどこの完璧超人よ」

「もちろん、わたしのことやで。すごいやろ」

「はいはい。実際すごいからね。管理外世界出身とは、とても思えないわよ。確か、同じ世界出身の貴女のお友達も、色々と武勇伝を聞くわ。S+ランク砲撃魔道師で、通称『管理局の白い魔王』だって」

「なのはちゃんやね。その呼び方は、何度
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