227部分:第三十一話 武漢にてその四
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第三十一話 武漢にてその四
「まだ姿は見えませんが」
「そうですか。ではその者達の相手は我々が」
「雑兵達は青銅の者達に任せますので」
「いえ、それはなりません」
だがアフロディーテはそれは断るのだった。しかもそこには強いものもあった。
「雑兵達も決して侮れない数と強さです。ですから」
「我々はそちらにですか?」
「ですがそれではアフロディーテ様は」
狂闘士達を一人で相手にすることになる。それを心配しているのである。
「構いません。私は一人で闘えますので」
「そうですか。そこまで仰るのなら」
「我々としましてはそれで」
彼等はこれで引き下がるのだった。やはり黄金聖闘士の言葉は彼等にとって絶対ということだった。
こうして六人の白銀及び青銅の聖闘士達がインプの大軍に対して向かう。皆それぞれまずは高々と跳びそのうえで向かうのだった。
「よし、手前等の相手は俺達だ!」
「覚悟しやがれ!」
「倒してやるからな!」
彼等はそれぞれインプ達に向かう。彼等の闘いもまたはじまったのだった。
そしてアフロディーテは十人の狂闘士達と対峙している。一人であっても臆するところは全く見られなかった。その小宇宙は強さを増す一方ですらあった。
「さて、それではです」
「何だ?」
「貴方達の名前を聞いておきたいのですが」
アフロディーテが彼等に問うのはこのことだった。
「それは宜しいでしょうか」
「ふむ。よかろう」
彼等の中の一人が応えてきた。
「それではだ。まずは私が名乗る」
「その貴方は?」
「公爵、バシンのセーバー」
鋭い目をした隻眼の男だった。右目に眼帯がある。
「同じく公爵、ヴィネのジュリア」
女だった。流麗な顔をしており目は湖の色だ。だがその唇が禍々しく紅く見えていた。
「侯爵ガミギンのナロン」
大男だった。しかも髪が黄金に波立っている。
「伯爵ビフロンズのガロ」
精悍な顔をした麻色の髪をした青年だった。
「同じく伯爵フールフールのラフィン」
赤い目をしたやや小柄な男である。
「子爵、ハゲンティのバーツ」
牛を思わせる小山の如き男だった。
「男爵、ヴァッサゴのラケル」
小柄だが鋭利な少女だった。
「公子、ベレスのノートン」
大柄な少年だった。
「同じく公子フールカスのトムス」
スキンヘッドの男だ。合計九人の狂闘士達であった。
「我等がいる。九人の狂闘士達がだ」
「ピスケス、そして」
セーバーとジュリアがそれぞれ言うのだった。
「そこにいるジェミニ、貴様等もだ」
「倒してやる」
「ジェミニ。そうですか」
アフロディーテはジェミニと聞いて静かに頷くのみだった。
「サガ。来ているのですね」
「その通りだ。今来たばかりだ」
アフロ
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