侵略の日
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4畳半に!?」
「適当にその辺で仮眠取ってるんだよ!!交互にコールドスリープに入るし!!」
……おぉ、ようやく宇宙船っぽい言葉出て来たぞ。
「船長、原住民の雌体を捕獲いたしました!」
ヴン…と音がして、部屋のど真ん中を真っ二つにするように巨大なスクリーンが現出してもう一人の宇宙人が映し出された。
「スクリーンでかいな!!なにこのサイズ、必要か!?」
「うるさい設計ミスだ!!…ここへ転送しろ」
云い終わるや否や、ばさり、と髪を振り乱した『誰か』が落ちて来た。…俺の時もそうだが杜撰だな。これも設計ミスか。
「もぉ〜、なにすんのよぅ」
ていうか。
「あの、宇宙人のひと」
「モーフィアス船長だ!」
「かっこいいすね。…で、モーフィアス船長」
「ふむ、何かね」
「この人、雌じゃないです」
モーフィアス船長は『え〜!?』みたいな顔をして、ピンクのスカートを振り乱して落ちて来た『彼』を見下ろす。
「んもぅ、乱暴なことしといて失礼じゃな〜い」
ほら、声が野太い。そして顎が微妙に青い。
「オカマのひとじゃないかと」
「ひどーい、失礼〜。私わぁ、体は男でもぉ、心はおん」
最後まで云い終わる前に、オカマは消えた。どうも外に帰されたらしい。
「…あの、また別に女のひと捕獲するんですか」
そうなら折角だから美人を捕獲してもらおう。そう思って携帯を取り出した。地球の美人の基準を教えておかなくては。しかしモーフィアス船長はがっくりと肩を落として呟いた。
「今ので異星人捕獲用のエネルギーは使い果たした。これ以上エネルギーを使うと帰途の燃料が微妙に足りなくなる」
「え…じゃ侵略とか無理じゃないすか」
モーフィアスが『あっ』みたいな顔で凍りついて、数秒後崩れ落ちた。何かよくわからないが何千光年の旅の終着駅で痛恨のミスですね……船長。お察しします。
「ま…まあ仕方ない。今回は雄だけで。…貴様、気の毒だが本星へ連行する。コールドスリープに入ってもらうぞ」
えっ……そ、そんなご無体な……軽く絶望に打ちひしがれていると、再びでかいスクリーンがズドンと現れて4畳半を割った。スクリーンの中央に、青くて細い男が映し出された。
「船長、緊急事態発生です!!」
「いちいちデカいな!!」
「貴様もいちいちうるさいな!!捕虜の自覚はあるのか!?……どうした、急用か」
「捕虜の一部が冷凍焼け起こしてます!!」
「なに―――!!!」
―――冷凍焼け……。
杜撰か。どんだけ杜撰だ。
「……コールドスリープから覚めたら肩のあたりがカッピカピとか嫌過ぎですね」
「い、いやいやいや…これはその…ちょっと忙しいタイミングだったもんでね、ははは…ほら!君の時はぐるっぐるに巻くから!大丈夫、全然大丈
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