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テイルズ魔術をプリヤ世界にぶちこんでみたかった。
淀み
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?」

「いや、全然似合ってないなって。あと犯罪臭がやばいなって」

「い、言うことかいてそれ!? もうちょっとこう可憐だとか、素敵だよとか、色々あるじゃん!」

「それを言うの? 僕が? はっ」

 なによそれと奇声をあげながら怒鳴り散らすイリヤスフィールを華麗にスルー。言葉を選べと抗議をしてくるが馬耳東風、その手の苦情は受け付けておりません。
 というか口は勝手に動くものなのだから僕にはどうしようもないのだ。だからお前が望んでいるようなものは今後一切あり得ないから期待しないように。

「……ねぇ、あれで隠してるつもりなの? っていうかなんでどっちもあぁなの?」

『ルビーちゃんには分かりかねますけど、いいんじゃないでしょうか。私にはとっても面白く見えますし【●REC】』

「嗚呼……あんたはそういう奴だったわね」

 うるさいぞそこ。

◆◆◆

 世界は無限に連なっていて、そのどれもが少し異なっている。例えば先ほどの僕がイリヤスフィールを絶対にありえないだろうが万が一、いや億が一兆が一に褒めていた場合、それは大本は一緒でも今とは異なる道を歩んでいることだろう。

 今と限りなく同一で、どこまでも剥離している世界。人はそれを、パラレルワールドと呼ぶ。

 だが今目の前に広がっている光景、どこまでも同一でどこか異なる部分を見つけられないこの世界を、僕はなんと呼べばいいのか。
 呆然としている僕たちに、遠坂凛が口を開いた。無限に連なる会わせ鏡の世界、鏡面界と呼べるそこの一つの鏡の中に僕たちはいるのだと。そこにこそ求めるカードがあるのだと。

「さぁ、話は終わりよ。――構えて」

 かけられた言葉に疑問として返そうとしたその時だった、暗く沈んだ夜の校庭の真ん中に黒い淀みが宙に湧く。僕がいるのは現実ではなかったのかと錯覚するほどに生々しさを感じる空想的光景に目を疑う。

 最初に生まれたのは、腕だった。淀みを突き抜け、何かを求めるように蠢く腕はやがて地面を知り、それに触れる。続いて見えたのは一つ目のマスク、次に顔、紫の長髪、妖艶的なスタイル、そうしてすらりと伸びる無駄なき足までがすっぽりと生まれ落ちた。

 あれが、あんなのが僕たちの求めるカードだと言うのか。 人ではないあれが、カードから成ったとでも言うのか。

「あれがクラスカードから実体化した存在……報告通りね」

 淀んだ存在が笑みを浮かべる。それは人に会えたことによる安堵や喜びからくるような純粋なものではなく、どこまでも猟奇的な、不純な存在だった。

「来るわよッ!」

 グッと引っ張られGをかけられる感覚が襲った時には、それはもう在った。鎖で繋がれた釘のような刺す凶器を二本持った淀みが、地面にそれを降り下ろす光景が。

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