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テイルズ魔術をプリヤ世界にぶちこんでみたかった。
淀み
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ば、僕は何かの手がかりを得ることができるかもしれないのだ。

「……見てほしいものがあるんだ。あんたが魔術師であるという言葉を信じて、だ」

「ふぅん。いいわ、見せてみなさい。あんたみたいな人間が魔術師に見せる物が何か、気になるわ」

 一つ頷いて、懐から一枚の用紙を取り出して見せる。そう、僕が夢で見たものを映写した陣だ。

「――――、」

 魔術師が息を飲んだ。その意味がどういうことを意味するのか、僕にはまだわからない。だがこの表情は、これの価値を紙切れではないということを端的に表していた。

「あんた、これどこで手に入れたの?」

「これは、僕が書いた物だ」

 遠坂凛の眼差しが鋭くなる、刺さる視線には警戒と猜疑心。これはもう、ただの紙切れのゴミなんかじゃない。時計塔首席を唸らせることができる、恐ろしく価値を秘めた魔術的意味を持った陣なのだ。

「正確には夢で見たものをそのまま書き写したものだ。僕自身の発想で作られたわけじゃない。僕はこんな夢を、もう五年は見ている。見覚えのない人間がいて、見覚えのない存在がいて、見覚えのない世界が広がっているんだ。なぁ、あんたこれが何か分かるんだろ? なら、僕の夢は一体何なんだ。何の意味があるんだ!」

「落ち着きなさい。こんな物を見せられて、私が混乱しているぐらいよ」

 嗜める言葉に口を閉じる。言葉の節々からはイリヤスフィールの部屋にいたときから感じられなかった凄みが感じられる。恐らくこれが、今目の前にいるのが本当の遠坂凛。魔術師遠坂凛の姿なのだ。

「いい? あんたの言葉が全部真実だとするなら、残念だけど私に答えは出せないわ」

「そう、か……」

「確かに相手の夢を対象に発動し、内容を操作する魔術は存在するわ。淫魔の類い、インキュバスやサキュバスが使うとされる能力を模倣したものがね。でも内容を印象づけることが出来るほど強いものじゃないわ、それ以外となると相伝された魔術ということになるけど……これほどくっきり残るともなれば魔術師に誤魔化せるようなレベルを越えているわ。五年前の私とはいえ、そんな物に気づけないほど無能じゃないし」

「…………つまり、僕の夢は魔術的じゃないってことか?」

「それもわからない。……貴方、両親は? 親が魔術師であるなら夢を見る理由が少しは分かりそうなんだけど」

 僕はその質問に答えなかった。いや、答えたくなかった。あんな出来事(・・・・・・)があった以上、僕が両親を語るのは傲りがすぎるというものだろう。少なくとも、許されるようなことじゃない。
 雰囲気で察してくれたのか、遠坂凛はすぐに引いてくれた。彼女もきっと、親にはそれなりに思うところがあるのだろう。

「今のところ害はないのね?」

「僕がキチガイ扱
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