224部分:第三十一話 武漢にてその一
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第三十一話 武漢にてその一
武漢にて
アフロディーテ達は遂に武漢に着いた。しかしそこはごく普通の河の港町でありおかしなところは何もなかった。しかし勿論それで終わりではなかった。
「とりあえず小宇宙は感じませんね」
「隠れてるみたいですね」
ラシャーとワルターがまずそれを述べた。少し古さも感じられる港町は活気に満ちていた。しかしそこに行き交う人々にはおかしなところは何も見られなかった。
「どうやらこの中に」
「密かに」
「いえ、ここにはいません」
だがアフロディーテは警戒する顔で周囲を見回す彼等に対して告げるのだった。
「彼等はここには」
「いないのですか?」
「街には」
「はい、いません」
今度はペテルとシオンに対して告げた。
「武漢の街の中にはいません」
「といいますと」
「彼等がいる場所は」
彼の今の言葉にミスティとアルゴルが考える顔になって述べた。
「武漢の外に」
「そこにいるのですか」
「はい、そちらに感じています」
アフロディーテは白銀の者達に対しても答えた。
「そう、武漢の南西。黄鶴楼のさらに行った場所にです」
「というと湖がまだある場所に」
「そこにですか」
「そうです、そこに感じます」
彼はまた言ったのだった。
「そこに彼等がいます」
「ではそこに向かいましょう」
「すぐに」
六人はすぐさまそこに向かうことを提案した。
「戦いは迅速にいくべきです。ですから」
「行きましょう」
「それはその通りです」
アフロディーテも彼等の言葉を受けて頷いた。
「ですが。警戒することです」
「策をですか」
「そうです。何といっても相手は狂闘士」
まずは彼等のことを警戒するように話した。
「何をしてくるかわかりません」
「そうですね。それは確かに」
「しかも今いる八大公は」
その八大公が誰なのかも問題なのだった。それは。
「アスタロトのミシェイル」
「八大公、いえ狂闘士の中で最も冷徹な男が」
「その彼がいます」
アフロディーテは彼を念頭に考えているのだった。
「彼が何をしてくるかが問題ですから」
「ですね。まさにその通りです」
「あの男が何をしてくるか」
「それに気をつけて進みましょう」
そうしてまた言うのだった。
「湖に」
「はい。それでは」
「警戒しながらそちらに」
こうして彼等はその湖に向かうのだった。彼等の動きは既に狂闘士達の目と耳に入っていた。ミシェイルは話を聞いたうえで静かに述べるのだった。
「そうか。来ているのだな」
「はい、ここに来ています」
「一直線に」
「予想通りだ」
彼等は今は湖のほとりにいた。湖は長江とは違い青い色を見せていた。その青い鏡に彼等の
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