機動戦艦ナデシコ
1462話
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く程に細い腰を引き寄せ、そのままミナトは想いの篭もった視線を俺に向け、やがて目を閉じる。
そして俺とミナトの顔が近づいていき……
「その、出来ればそういう真似は私がいないところでやってくれませんか?」
「っ!? そ、そう言えばルリルリもいたんだったわね」
「……忘れられているとは思いませんでした」
ジトリとした視線をこっちに向けてくるルリだったが、まぁ、俺とミナトの2人共が忘れていたんだから、こういう視線を向けられても仕方ないだろう。
「あはは。ごめんね、ルリルリ。それでえっと、何の話だっけ? 目玉焼きには何を掛けるかだっけ?」
「違います」
「違うな」
ルリの言葉に合わせるように、俺もまたミナトの言葉を否定する。
それにしても、また何だってそんなに激しい言い争いになるような話題の選択を。
目玉焼きに何を掛けるかというのは、人によって大きく異なる。
醤油、塩、ソース、ケチャップ、胡椒、マヨネーズ……俺が聞いた珍しいところでは、ワサビや焼き肉のタレって奴もいたな。
で、大抵この話題になると自分の食べ方が一番という風になって、揉め始める。
更に、何を掛けるかだけじゃなくて、どういう風に目玉焼きを食べるかという事で揉める事も多い。
パンやご飯の上に乗せてそれを崩して食べるとか、白身だけを食べてから黄身を食べるとか、黄身を崩して白身と一緒に食べるとか。
そして焼き方も半熟、完熟、両面焼き……
それこそ目玉焼き論争というのは起きてしまえば非常に面倒な事態になるのは間違いない。
ちなみに俺の場合は普通に醤油派で、最初は白身だけをある程度食べてから半熟に焼いた黄身を崩して白身と一緒に食べる派だ。
「何よ、もう。少しくらい乗ってくれてもいいでしょ? ……それはともかく、これからの事だったわね」
どうやらしっかりと覚えてはいたらしい。
「この内乱というか、反乱というか……とにかく、この戦いが終わったら私は前から言ってた通りシャドウミラーに行く予定よ。ただ……」
一旦言葉を切ったミナトの視線が向けられたのは、バカばっかと呟いているルリ。
……口では文句を言いながら、何気に少し楽しそうな様子なのは、ルリも俺のやり方に慣れたからか。
そんなルリは、自分に視線を向けられたのに気が付いたのだろう。ミナトの方へと視線を向ける。
「私ですか?」
「そうよ。こう言っちゃなんだけど、ルリルリってまだ11歳でしょ? ナデシコを降りたら……もしくは解散したら、誰が引き取るかというのは絶対に問題になるわ」
「……はぁ」
ルリ本人の事なのだが、全く気にした様子がない。
けど、ミナトの言う通りなんだよな。もしルリがナデシコを降りた場合、誰がルリを引き取るのかというのは大き
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