222部分:第三十話 黒薔薇の香りその四
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第三十話 黒薔薇の香りその四
「仮にも黄金聖闘士だ。愚かで務まるものではない」
「ではどうされますか?今度は」
「またインプ達をでしょうか」
「いや、インプ達を送るのは止めだ」
それはこれで止めておくとするのだった。
「彼等はこれからの為に置いておく」
「これからといいますとこの武漢での戦いに備えてですね」
「ここでの戦いに備えて」
「そうだ。だからこそ置いておく」
彼は言うのだった。
「彼等はな。それに他の聖闘士達もいる」
「ああ、白銀や青銅の者達ですか」
「あの者達ですね」
彼等はここではじめて白銀や青銅の者達についても考えるのだった。
「そういえばあの者達もいました」
「彼等も」
「確かに黄金聖闘士と比べればその力は微々たるものだ」
確かにその実力は黄金聖闘士と比べるとかなり落ちる。しかしそれでもその実力はかなりのものだ。少なくとも彼等もまた聖闘士なのだ。
「あの者達に戦力を割く必要がある」
「ですがミシェイル様」
「確かに黄金聖闘士以外の聖闘士は我々の敵ではありません」
狂闘士の実力は公子であっても白銀聖闘士よりも遥かに上なのだ。このことは先にあった彼等と聖域の聖戦でもはっきりしていることだ。
「ですがそれでも雑兵は雑兵です」
「聖闘士の相手は」
「わかっている」
ミシェイルはここでも冷徹に述べた。表情も変わらない。
「所詮は足止めに過ぎない」
「足止めですか」
「しかしだ。あの者達が他の聖闘士達を足止めしている間に我々でピスケスを倒す」
「我々でですか」
「我等十人で」
「そうだ。ジェミニも来るならば彼にも戦力を割く」
このことも計算に入れているのだった。
「しかしだ。優先させるのはピスケスだ」
「ピスケスですか」
「そうだ。ピスケスに戦力を優先させ先に倒しそのうえでジェミニだ」
アフロディーテを先に倒すというのだった。サガよりも先にだ。
「ジェミニの強さは圧倒的だ。まずは四人で足止めをし」
「はい」
「それでですね」
「そうだ。残る五人と私でピスケスを倒す」
これが彼の考えであった。
「六人でピスケスを倒しそのうえでジェミニを十人で倒し」
「そうしてその後で」
「最後の聖闘士達を倒す」
こう順番をつけていたのだ。彼は何処まで冷静に戦略を立てていた。そうしてそのうえで戦いを考えているのだった。
「これでどうだ」
「そうですね。それで宜しいかと」
「やはり黄金聖闘士を先に倒すべきです」
聖域の象徴である。それをまず倒そうというのは妥当であった。
「ですからここは是非」
「まずはピスケスを」
「うむ。ではそうしていく」
彼も考えを決定させた。
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