第6部 贖罪の炎宝石
第2章 カトレア
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車は動き出し、跳ね橋を渡って城壁の内側へと飛んで行った。
ウルキオラはルイズの実家の豪華さに、少し感心した。
これが大貴族のお城というものなのだ。
豪奢な調度が惜しげもなく飾られた部屋を何個も通り、ウルキオラ達はダイニングルームへと到着した。
シエスタとウルキオラはすぐに召使の控室に案内された。
エレオノールはウルキオラに「後で呼ぶから待っていなさい」と告げて離れていった。
ウルキオラはそれに対して特に返答もせずに、シエスタと共にメイドが開けたドアをくぐり、控室へと入った。
「しばしお待ちください」
そういって、メイドは控室から出ていった。
ウルキオラは近くにある椅子に腰を下ろし、テーブルの上に斬魄刀とデルフを置いた。
それをみたシエスタは、ウルキオラの隣に椅子を動かし、同じように座った。
「すごいお城ですわね」
シエスタが辺りをきょろきょろと見回しながら伝えた。
「そうだな」
ウルキオラの返答があまりにもさっぱりしていたので、沈黙が流れた。
しかし、その沈黙は長くは続かなかった。
「ふう、やっと口が聞けるぜ!」
デルフがいままでの鬱憤を晴らすように口を開いた。
「別に普通に口を開けばよかっただろう」
「いやいや、おの威圧感の中、口を開けるのは相棒だけだぜ」
デルフが皮肉っぽく言った。
「そうですよ、もう私どうなるかとひやひやしましたわ」
シエスタもため息を吐きながら言った。
「人間の位など、俺には関係のないことだ」
この後、ウルキオラがシエスタとデルフに質問攻めにあうのは言うまでもない。
さて、父と母の待つダイニングルームへ姉と共に向かっているルイズの心境は穏やかなものではなかった。
これから父と母を説得しなければならないのと同時に、ウルキオラとシエスタがまた行動を共にしているからだ。
しかし、ルイズにそんな考える時間はなかった。
ダイニングルームへ入ると、30メイルほどの長さのテーブルが目に入った。
この夕食の席に座るのは、5人だけであるのに、テーブルの周りには、使用人が20人ほども並んでいる。
深夜であったが、ルイズたちの父親と母親、ラ・ヴァリエール公爵と公爵夫人は晩餐会のテーブルで娘たちの到着を待っていた。
上座に控えた公爵と公爵夫人は、娘たちを見回した。
「父様、母様、ただいま戻りました「とエレオノールが挨拶をする。
ラ・ヴァリエール公爵は頷いた。
歳の頃は50過ぎ。
白くなり始めたブロンドの髪と、口髭を揺らし、王侯もかくやとうならせる豪華な衣装に身を包んでいた。
左目にはグラスがはまり、鋭い眼光をあたりにまき散
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