第6部 贖罪の炎宝石
第2章 カトレア
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しかも、ルイズに。
ウルキオラ自身、現状を理解できていないため、少し困惑していた。
「お前らの驚きが理解できない。順を追って説明しろ」
ウルキオラはルイズの手を振り払った。
さて、ここは旅籠の一角。
先ほどのウルキオラの言動をきっかけに、何やら話し合いのような形となってしまった。
エレオノールとルイズ、カトレアが横一列に座り、テーブルをはさんで向かい側にウルキオラとシエスタが座っていた。
皆それぞれに、飲み物を頼んだらしく、テーブルの上にはグラスが5つ置かれていた。
シエスタは少し怖がっている様子であった。
「ほう、なるほどな……それであの驚きようか…」
ウルキオラはそう言って紅茶を一口すする。
どうやら、病であること自体は知っていたようだ。
しかし、それがどんな病で、どう治すのか……そこまではわからないらしい。
国中の『水』の魔法を試したが、どうにもならなかったらしい。
今までも多くの医者が匙を投げたという。
ウルキオラはその一通りの話を聞くここで、先ほどの驚きの意味が分かった。
「さあ、もういいでしょ?早くちいねえさまの……」
「待ちなさい、ちびルイズ」
ルイズがそう言いかけたとき、エレオノールが制止した。
「どうしました?エレオノール姉さま?」
「信用ならないわね。たかが平民の分際で、何がわかるのかしら?」
エレオノールはごもっともな疑問をウルキオラにぶつけた。
「信用しようがしまいが、俺はどうでもいい。別にわざわざ貴様らに話す道理もない」
そういってウルキオラは席をはずそうとした。
しかし、この場で、少なくとも二人はウルキオラの言葉を疑っていないものがいた。
ルイズとシエスタである。
しかし、シエスタは全くの平民なので、口をはさむことができなかった。
ルイズがウルキオラを呼び止める。
「待って、ウルキオラ。エレオノール姉さまとちいねえさまにウルキオラの事教えてあげて!」
ウルキオラはぴたりと足を止めた。
共界眼をしろということか?
ルイズは足を止めたウルキオラから視線を外すと、エレオノールとカトレアの方へと視線を移した。
「私の使い魔、ウルキオラについて知っていただければ、ウルキオラの言うこと、信じて頂けると思いますわ」
「あら、私は信じてるわよ、ルイズ」
カトレアは屈託のない笑顔で答えた。
ルイズはそんなカトレアを見て少し安心した。
エレオノールも、ルイズからの手紙から、使い魔については聞いておきたいと思っていたので、願ったり叶ったりであった。
ウルキオラは仕方がない、といった具合に再びテーブルへと足を運んだ。
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