第6部 贖罪の炎宝石
第2章 カトレア
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いるから……ではない。
彼女はエレオノールに気づき、目を丸くした。
「まあ!見慣れない馬車を見つけて立ち寄ってみればうれしいお客だわ!エレオノール姉さま!帰ってらしたの?」
「カトレア」と、エレオノールが呟く。
突然の来訪者に、雰囲気は完全に変わった。
カトレアと呼ばれた娘の顔が、ルイズを認めて輝いた。
ルイズの顔も、喜びに輝く。
「ちいねえさま!」
「ルイズ!いやだわ!私の小さいルイズじゃないの!あなたも帰ってきたのね!」
ルイズは立ち上がると、カトレアの胸に飛び込んだ。
「お久しぶりですわ!ちいねえさま!」
きゃっきゃっと辺りをはばからぬ大声で、二人は抱き合った。
どうやら彼女は、ルイズのすぐ上の姉であるらしい。
髪の色といい、瞳の色といい、見れば見るほどルイズにそっくりである。
多少ルイズに比べると、穏やかな顔立ちであった。
そんな風に久々の再開の最中、ウルキオラは面白いものを見つけた。
それに対して、ふっと微笑する。
そんなウルキオラの微笑に、それぞれ思うところは違えど、反応した。
「なにを笑っているの?」
エレオノールはドスが聞いた声で言った。
「いや、なに……そこの女」
ウルキオラはカトレアに向けて言葉を放った。
そんなウルキオラの態度に、今度はエレオノールだけでなく、ルイズも怪訝に思った。
「はい?なんでしょう?」
カトレアは、ルイズを抱きしめながら、ウルキオラに視線を向けた。
「お前、珍しい病を抱えているようだな」
その言葉に、ルイズとカトレア、エレオノールは驚愕した。
「なんで…あんたが…それを?私、一言も話した覚えはないわよ」
ルイズは本当に驚愕しているようだった。
片言になっていた。
「ああ、そうだな。カトレア…と言ったか?己の持つ魔力で苦しめられている人間は初めて見た」
ウルキオラはルイズの驚愕ぶりに少し疑問を抱きながらも、冷静に答えた。
「どうゆうこと?あなた……カトレアの病がわかるの?」
先ほどまでの険悪な雰囲気はどこへやら。
エレオノールはいつもの調子でウルキオラに尋ねた。
「なんだ?姉妹なのに知らんのか?」
その返答は、ウルキオラはカトレアの病がわかっているという意味であった。
「まあ!」
カトレアも可愛らしく驚いていた。
すると、ルイズはばっとカトレアのもとからは離れると、ウルキオラに近づいていった。
そして、がばっとウルキオラの胸倉をつかんだ。
「ち、ちいねえさまの病がわかるなら、い、今すぐに言いなさい!」
ウルキオラはただただ驚いた。
初めて人間に胸倉をつかまれた。
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