第6部 贖罪の炎宝石
第2章 カトレア
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だ。いくら水魔法を使用したところで意味はない。心臓の機能が損傷しているわけではないしな」
暫しの沈黙が流れる。
ルイズが気づいたかのように提案してくる。
「お、多すぎる魔力が原因なら、その魔力をなくせばいいんじゃないかしら?」
ルイズの愚問に、ウルキオラはため息をついた。
「な、なによ!」
ルイズはそんなウルキオラの態度が気に入らなかった。
「お前ら貴族は、魔力を消費したら、回復しないのか?」
その言葉を聞いて、公爵が口を開く。
「なるほど。常人と同じ魔力量に戻したとしても、すぐに回復してしまう……と言う訳か」
「そういうことだ。この世界の魔法では治癒は不可能だ」
絶望。
その言葉が公爵夫人の頭を巡った。
ようやく、病の正体を掴むことができた。
これで治すことができるかもしれないと。
しかし、ルイズの使い魔から放たれた言葉は、無慈悲にそれを否定した。
しかし、ここである言葉が引っ掛かった。
「この世界の…魔法では?」
それを聞いたウルキオラは、微笑した。
「ほう?ルイズと違って賢いな」
その言葉を聞いて、ルイズが黙っているはずもない。
「ちょっと!どういう意味よ!」
「俺はどこから来た?」
ウルキオラの問いに、ルイズは激昂した。
「異世界でしょ!そんなこととっくに……」
ルイズの言葉が次第に小さくなる。
「理解したか?」
そうだ。
ウルキオラは異世界からきたのだ。
つまり、この世界の住人ではない。
「あんた、まさか……治せるの?…だったら、ちいねえさまを治して!」
ルイズの言葉に、公爵がドンッとテーブルを叩いた。
「お主、カトレアの病を治せると申すか?」
「病……と言うより、魔力の量が多すぎる…と言うのなら、それを減らせばいい話だ」
ここで、公爵夫人が口を挟む。
「しかし、魔力を減らしたところで、回復してしまうのでは?」
「ああ、だが、魔力量の限界値を治療すればどうなる?」
ウルキオラの問いに、ピンと来ていないのか、エレオノールが問う。
「どういう意味?」
「そうだな、例えば、ルイズの魔力量を100としよう。それは常人の範囲内の魔力量だ。だが、カトレアの魔力量は1000。常人のそれを遥かに超えるものだ。ルイズはどんなに魔力を貯めようとしても、100以上の魔力は蓄えられない。しかし、カトレアは1000もの魔力を蓄えることができてしまう。ならば、カトレアの魔力量の限界値を100になるように治療すれば、1000もの魔力がカトレアの身体に存在することはなくなる」
それを聞いて、公爵は髭を撫でた。
「つまり、入れ物の大きさを変
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