第6部 贖罪の炎宝石
第2章 カトレア
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の言葉を聞いて、この場にいるすべてのものが凍り付いた。
シエスタはここで喧嘩でも始まるのではないか……と。
ルイズは何よりもウルキオラが怒るのではないか……と。
村人は何を狂ったことをしているんだこの家来は……と。
そして、エレオノールはまさかの返答に周りから見てもわかるくらいに怒りで震えている。
エレオノールがさらにウルキオラへと言及しようしたその時……。
「お姉さま。お待ちください。今の言動の理由も含め、ウルキ…使い魔についてご説明いたしますわ」
ルイズがバッと立ち上がってエレオノールを制止した。
そして、アイコンタクトで村人たちに出て行けと伝えた。
それを察した村人たちはそそくさと退場していく。
エレオノールはふうっと一呼吸おいてからルイズに向き直った。
「言うようになったわね。ちびルイズ」
「い、いえ…その」
いつもなら、エレオノールに意見など、絶対に言わないルイズであるが、今回ばかりは意見しなければ最悪ヴァリエール家が滅亡しかねないため、本能的に動いた。
「まあ、いいわ。私が納得するような説明をしてくれるんでしょうね?」
エレオノールはルイズを一睨みし、ウルキオラも睨み付けた。
「なぜおまえが納得するような説明をしなければならない?」
「なっ!?」
エレオノールは怒りを通り越して言葉が出なかった。
「ちょっと、ウルキオラ!」
ルイズも激昂する。
「事実を述べたまでだ」
ウルキオラはそう言ってエレオノールを見つめた。
急に見つめられたエレオノールは、キッと睨み返した。
もしかすると……この二人は…最悪の関係なのかもしれない。
シエスタは今までにないほど震えていた。
ウルキオラは人間ではない。
それは聞き及んでいた。
だから、貴族に対しての礼儀を持ち合わせていないこともわかっていた。
しかし、今のこの状況はいつ小競り合いになってもおかしくない雰囲気だった。
しかし、そんな険悪な雰囲気も長くは続かなかった。
旅籠のドアがばたーん!と開いて、桃色の風が飛び込んできたからである。
皆、視線をそちらに移す。
彼女は腰がくびれたドレスを優雅に着込み、羽根のついたつばの広い帽子を被っていた。
その帽子の隙間から、桃色がかったブロンドが揺れる。
ルイズと同じ髪の色。
はっとするような可愛らしい顔が帽子の下から覗いた。
一見して確実にルイズより年上だというのに、同じように可愛らしい雰囲気を醸し出していた。
その目の色は、やはりルイズと同じ鳶色に光っている。
ウルキオラは思わず少しだけ目を見開いた。
もちろん、ルイズに似て
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