第二十六話 命綱
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節約」という張り紙を部屋にはってでも、物資の節約と備蓄にいそしんできた艦娘たちにとって、その物量は凄まじい量だった。
「13万トン?!」
「それだけあれば――。」
「消失した物資を補って余りあるぞ!」
「それだけじゃなくて、この呉鎮守府におすそ分けしてもまだ大丈夫な量じゃん!」
「いや、それはネコババだから――。」
「ネコババしたってバレない量だもの大丈夫――。」
「みんな落ち着いて。」
鳳翔がざわめく艦娘たちを制した。
「葛城さん。」
鳳翔は厳しい目を葛城に向けた。
「あなたはこの物資を有事の際には呉鎮守府の提督に託し、それを横須賀に輸送するように命令されていたのですね。」
「は、はい!」
「・・・・・・・。」
鳳翔は一瞬考え込むように視線をわきに逸らした。
「鳳翔・・・さん?」
「わかりました。やりましょう。」
鳳翔は皆を見まわした。
「これは呉鎮守府の総力を挙げた大作戦です。南西諸島奪還作戦、いえ、それ以上の軍事作戦に匹敵します。私たちはただ戦うのではありません。物資を敵深海棲艦から守りつつ、無事に横須賀に輸送しなくてはなりません。当然危険は伴います。通常航海はおろか、単なる戦闘の時とも比べ物になりません。覚悟は・・・・いいですね?」
艦娘たちは一斉にうなずいた。
「葛城さん。」
「は、はい!」
「これから私と提督執務室に行き、提督にお会いしてください。そこで物資集積島の場所、その詳細をもう一度提督に教えていただきます。伊勢さん、日向さんも一緒に来てください。」
鳳翔は残る艦娘たちを見た。
「第6駆逐隊の皆さん。」
「は、はい!」
「あなたたちは出動の準備を整えてください。葛城さんに物資集積所の場所を聞いたらすぐ先発して島に到着し、本隊到着まで周辺警戒を厳にし、物資を守り抜くこと。」
『わかりました!』
「雪風さん。」
「はいっ!」
「あなたはビスマルクさんのところに伝令に行ってください。ただちに鎮守府護衛艦隊の出動準備を整えるようにと。」
「わかりました!」
「そして不知火さん。」
最後に鳳翔の視線が不知火に向けられる。
「あなたも第6駆逐隊の皆さんと一緒に葛城さんから物資集積所の場所を教えてもらって。その後、すぐに由良さんと綾波さんと共に高速輸送船団の編成に当たってください。呉鎮守府には積載可能2万トン級の40ノット強を誇る快速輸送艦船がまだ10数隻残っているはずです。あなたたちは命令があり次第利根さん、筑摩さん、熊野さん、鈴谷さんとともにこの輸送船団を護衛して葛城さんたちの後を追ってもらいます。」
「承知、です。」
「時間との戦いです。すぐに各員行動に移ってください!」
『はいっ!』
艦娘たちは一斉にそれぞれの持ち場に駆け出していった。
現在呉鎮守府に所属している艦
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