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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第二十六話 命綱
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快な飲みっぷりに顔を見合わせた。
「すごい・・・・。」
「豪快な飲みっぷり・・・・。」
「なのです・・・・。」
「流石は輸送艦ですね。」
「だ、誰が輸送艦ですって!?」
その艦娘はものすごい勢いで立ち上がった。
「わっ、私は正規空母なんだからね、正規空母!!!」
「ええっ!?」
「うそ?!」
「だって、飛行甲板もってないよ?」
「どうやって飛ばすんだろ?」
「きっと、あの着物の下から巻物みたいなものが出るのです。龍驤さんや隼鷹さんたちみたいに――。」
「ちが〜〜〜〜〜〜〜う!!」
艦娘は喚きながら立ち上がった。そして、暁たち第6駆逐隊と雪風を見ながら、自分の胸に手を当てて言った。
「雲龍姉や天城姉とは違うんだから!私は弓で飛ばすんだからね。」
「でも、今は持っていないのです?」
あ、と一瞬艦娘は顔を赤くした。
「・・・・忘れてきちゃったのよ。」
訪れた微妙な空気を振り払うように艦娘は咳払いして言葉をつづけた。
「私は正規空母葛城よ。雲龍型航空母艦の三番艦なの。前世で生まれた時期は遅かったから、たぶんあなたたちは私のことを覚えていないと思うわ。」
5人の駆逐艦娘たちは、慌てて口々に謝った。
「別に構わないわ。私の方こそ、助けてもらいながら、まだあらためてお礼も言っていなかったわね。ホントにありがとう。」
敵艦隊に追われている葛城を哨戒中の暁たち第6駆逐隊が発見したのは、つい先ほどのことだった。幸い敵艦隊と言っても駆逐艦と軽巡1隻だったこと、また呉鎮守府からそう遠くない近海での出来事だったので、増援部隊が到着するまでもなく、無事に葛城を呉鎮守府に入港させることができた。
「それにしても、どうして敵に追われていたのですか?」
暁の言葉に、葛城は大きな目をゆっくりと瞬きした後、顎に手を当てて考え込んでいた。
「あの?」
暁の問いかけに葛城は顔を上げた。
「それについては――。」
その時、ドアが開いて数人の艦娘が入ってきた。その中の一人を見た瞬間葛城の顔が変わった。
「鳳翔さん!!」
鳳翔の顔も驚きの色で染まった。
「葛城さん!お久しぶりですね・・・。」
一瞬前世での記憶を思い出したのか、葛城の顔がゆがんだ。葛城は前世大日本帝国海軍が建造した事実上最後の正規空母であり、終戦後も生き残り、復員任務に従事していた。そして、すべての任務が終了した際に解体されたのだが、その時最後に一緒だったのが鳳翔だったのだ。
「ごめんなさい・・・。また怒られてしまいますよね、まだまだ未熟だぞって、そういわれちゃいますものね。」
恥ずかしそうに眼の淵をぬぐった葛城の顔には、これが本来の顔であろう快活さがうかんでいた。
「いいえ、そんなことはありませんよ。私もとてもうれしいです。でも・・・・。」
鳳翔はふと何かを思い出す
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